言霊の幸わう国

大切な人

アイツは今ごろ・・・。

 2年以上前の新聞に載っていた言葉で、忘れられないものがある。
 その言葉とは。

  「忘れねばこそ思い出さず候」

 このうたは、伊達綱宗に身請けされた遊女の恋文だと伝えられている。
 慕いつづけて忘れられないので思い出すこともない、という意味だそうだ。

 この言葉を見つけたとき、自分の中でしっくりする感じがした。
 ある人のことが当てはまると感じたのだ。

 ある人というのは、Nくんという。
 出会ってからたった8ヶ月半で二度と会うことができなくなってしまったわたしの大切な友人だ。
 彼にはたくさんの言葉をもらった。
 誰からももらったことのない、わたしをいつも励まして安心させてくれる言葉だった。
 今でもその言葉たちは抽斗から取り出しては、ときどき噛みしめている。

 どんなに思いを募らせても、もうあのときに戻ることはできない。
 でもいつまでも胸の中に鮮明に存在するので、忘れるという感覚ではない。
 きっと彼をなくして悲しんだ人は、みんなそうだろうと思う。

 忘れなければ、思い出すこともない。
 誰にでも、そういう大切な人はひとりやふたりいるものかもしれない。
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by fastfoward.koga | 2005-07-27 21:08 | 一日一言