言霊の幸わう国

嫁入り道具

 どちらかというと、わたしはいらないと思ったら物をさっさと捨てるタイプだ。
 よく使わない、いらないと思っても物が捨てられないという人がまわりにもいるけれど、3年使わなければ捨てようよ~、と内心思っている。
 うちの親もどちらかというと物が捨てられない人なので、「いらんやん、こんなん! いつ使うのよ!」とよく怒っている。

 そんな親からは薄情だと言われるわたしでも、ずっと捨てずに使っているものはある。
 その中で1番古いものは、キティちゃんの黄色い目覚し時計だろう。

 確か、小学校1年生のクリスマス。
 まだサンタさんがいると信じていたころ。
 もらったプレゼントがそのキティちゃんの目覚めしとピンクのふわふわがついた耳あてだった。

 耳あてはもう手元にないけれど、キティちゃんの目覚ましだけは今も現役だ。
 不思議なのだけれど、1度も壊れることなく時間を刻みつづけてくれている。
 わたしはそんなに目覚めが悪い方ではないのでその目覚ましだけで起きられるから、よく聞く話のように投げて壊すこともなかったし、ふたつめの目覚ましが必要になることもなかったのだ。

 たまにこの目覚ましが壊れたら、と思うことがある。
 そうなったら、大げさでなくわたしはきっと泣くだろう。
 そしてわたしは今と違うベルの音で果たして毎日起きられるのだろうかと、心配するのだ。

 だから、嫁に行くことがもしこの先あるのなら、嫁入り道具のひとつとして持っていこうと思っている。
 可能なら、その目覚ましでだんなさまにも起きてもらうのだ。
 キティちゃんが先にくたばってしまわないことを、ただひたすら祈るばかりだ。 
[PR]
by fastfoward.koga | 2005-08-01 23:08 | 一日一言