言霊の幸わう国

大らかなチチ

 久しぶりに、ボンボン時計が動き出した。
 我が家には、鐘を鳴らして時間を知らせる時計がいくつもある。
 それはチチの趣味なのだけれど、普通、一般家庭でこんなにボンボン時計はいらないでしょう、というくらいの数なのだ。

 どの時計もみんなアンティークと呼ばれるくらいの古さのものばかりで、時計屋さんで修理してもらっている時間も長いし、ねじをまかないと動かないなんてものもある。
 チチはその手間がいいらしく、いつも仕事から帰ってくるとせっせと時計のねじをまいている。

 数日前に、たまには動かしてないと、とチチが久しぶりねじをまいた時計があった。
 動き出した時計の鐘の音をわたしはすっかり忘れていたので、夜中うとうとしていたときにビックリして目が覚めてしまった。
 しかも夜中の1時か2時のはずなのに、鳴り出した鐘は一向にやむことがなかった。
 眠い頭で数を数えると、結局8回鐘が鳴った。
 ・・・いったい、今は何時なのだ?
 そう思ったら、笑いがこみ上げた。
 夜中にベッドの中で、ひとり笑っていた。

 朝起きて、ふと思い出しその時計を見ると時間がまったく合っていなかった。
 そりゃあ、夜中に8回もなるわと納得。
 動けばいい。鐘の音を鳴らせばいい。
 時計に対してそう考えるチチの大らかさを垣間見た出来事だった。
 残念だけど、そういうところは似なかったな。
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by fastfoward.koga | 2005-08-10 00:09 | 一日一言