言霊の幸わう国

余韻に浸る夜

 なぜだか今日は、ちょっと放心状態。
 火照った体にゆるゆると吹く風が心地よかった。
 靴音を響かせながら、自分でその音に耳を澄ますとどこまでも歩いていけそうな気がした。

 時計を見ると、21時。
 まっすぐ帰るにはきもちを持てあましてしまう。
 目についた本屋に入り、本のタイトルをなぞって店内を歩いた。
 数10分たってやっと、今の気分に合う本なんてないことに気づいた。

 とろとろと歩き、地下鉄の駅に着いた。
 見知らぬ人と目が合うと、放心状態だと自覚しているわたしはそんなに惚けた顔をしているのかと、窓に映る自分の顔を確認した。

 うちに帰ると、阪神タイガースの優勝が決まっていて思わずテレビに見入ってしまった。
 ばかだな。
 どうしてめったにないこの余韻に浸らなかったんだろうと後悔した。

 歩けるところまで歩けばよかったのだ。
 そんなばかばかしいこと、なんて思わずに、ばかをやればよかった。
 ちょっと途切れたけれど、今から戻ろう。
 余韻はどこかに残っているはず。 
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by fastfoward.koga | 2005-09-30 00:58 | 一日一言