言霊の幸わう国

夕焼けの空

 夕陽を見に行こうと、原付を西へ西へと走らせた。
 お休みは夕陽を見ようと以前書いたので、今日はそれを実行しようと思ったのだ。

 昼間は腕まくりをしていたカーディガンも、陽が落ちつつある時間では肌寒かった。
 それでも、カーディガンのすそをなびかせながら堤防に向かった。

 夕陽を見るのはその場所でと初めから思っていた。
 着いてから、そこで前にも夕陽を見たことを思い出した。
 そのときから倍以上の時間が経っているのに、考えることは同じなんだなと思わず自分で笑ってしまった。
 そこには、高校受験を控えてクラブを引退したあとに、時間を持てあましてY嬢と学校帰りに何度か行ったことがあったのだ。
 堤防にある階段に腰掛けて、いろんな話をした。
 今となっては、どんな内容の話をしたのか具体的なことは覚えていないけれど、きっと15歳らしいそのときにしか話せないようなことだったと思う。

 今日は残念ながら、雲が多く、夕焼けは見られたけれど、夕陽は見えなかった。
 淡いグラデーションに彩られた空をほんの少し見て、すぐに帰ってきた。
 行くまで自分でもよくわかっていなかったのだけれど、わたしが見たかったのは夕陽。
 沈んでゆく太陽の姿だったのだ。

 ちょっとがっかりしながら帰る背中には、夕焼けの空。
 バックミラーに映る表現しがたい微妙な色合いの空を見て、後ろ髪をひかれるような気もした。
 やっぱり、夕陽が見たかったな。
 そして、できるなら次は誰かと見たい。
 もう、ひとり、堤防に腰掛けるにはさみしいものがある。

 今日は、みなさんの町では夕陽や夕焼けは見えました?
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by fastfoward.koga | 2005-10-27 18:19 | 往復書簡