言霊の幸わう国

「職人」

 今日はなにを書こうか考えながら、うちに帰ってきた。
 ただいまとハハと今日の出来事をひととおり話したあと、これ見てとテーブルの上を指差された。

 見て、一目でチチだとわかった。
 テーブルの上には、小さなキャンバスに描かれた仕事をするチチの姿があった。
 タイトルは「職人」。

 なにやら、先日、写真を撮らせてほしいと職場に来た年配の女性が描いた絵らしい。
 目元や耳の辺りが、よく似ていた。
 ハハと、絵に描いてもらえるなんてねと言葉少なに話をした。

 うちのチチは、職人だ。
 京都で、折箱を作っている。
 もう長いことチチの職場には行っていないけれど、そこは木のにおいがするところ。
 古い町家づくりで天井が高く、冬は寒いなと思った。

 絵の中のチチは、仕事をしていた。
 横顔で、なんの作業をしているのかわからないけれど、木に左手を伸ばしていた。

 最近、なぜかチチが仕事をしているところを見たいなと思っていたのだけれど、やっぱり覗いてみようかなと思った。
 きっともうそんなに見られないし。
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by fastfoward.koga | 2005-12-08 22:53 | 一日一言