言霊の幸わう国

広い世界のちっぽけなわたし

 わたしの住む町も、今日は朝から雪が積もった。
 朝早く、近所のこどもたちのはしゃぐ声で目が覚めた。
 降っただけでなく、雪が積もるのは年に数回あるかないかなので、こどもは大喜びだけれど、大人はそうはいかない。
 町は、大混乱だった。

 今日のわたしの勤務はお昼から。
 ちょうどうちを出るときに猛吹雪だったので、原付をあきらめバスで駅へ向かった。
 バスも電車も遅れが出ていて、出勤するだけでも大変だった。
 職場もてんやわんやで、なんとかバタバタで仕事を終えて最寄り駅に着いた。

 いやな予感はしていたけれど、あそこまでひどいとは思わなかった。
 タクシーを待つ、人・ヒト・ひとの行列。
 おそらく40人は並んでいただろう。
 待っていたら、何時に帰れるのかもわからないくらい。
 即座に回れ右をして、駅から歩くことを選んだ。

 帰り道は、下り坂で30分弱。
 決して近くもないし、明るい道でもない。
 が、背に腹はかえられない。
 何度も周囲を確認しながら、携帯を右手に、傘を左手に握り締めて、かなりの早歩きで帰ってきた。

 歩くたびに響く靴音と、あがる息。
 軽い緊張感の中でも、吸い込まれるような空を思わず何度も見上げた。
 澄んだ空とポッカリと浮かぶ月。
 こういう時間もなかなかないかと、途中からは気分を変えて歩いた。

 シンとした冬の夜。
 広がる黒い空を見ていると、世界の広さと、そこにひとりぽつんと佇む自分の姿が頭の中をよぎった。
 自分が、すごくすごくちっぽけだと感じた。
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by fastfoward.koga | 2005-12-23 00:04 | 一日一言