言霊の幸わう国

かすかなスリル

 夜、車や原付に乗ると、自由だなといつも思う。
 そのままどこまでも行けるような気に、なるのだ。

 空いた暗い道を、走り抜けてゆく。
 街灯の下をするすると。
 光の帯を横目にすいすいと。
 アクセルをふかすと、すーっと闇にとけてゆくような感じ。

 わたしは、決められた枠の中で生きてゆく人間だ。
 特に厳格な家庭で育ったわけではないけれど、人よりも少し規律や順序を重んじる。
 気づいたらはまっていた、その枠を窮屈に思うこともある。
 でも、ほとんどはその中でどれくらい工夫して、じたばたして生きやすくすることができるかを結構楽しんで考えている。
 それが、わたしの生きてゆくためのテーマなのだ。

 人生で、なにからなにまですべてが自由だなんてことはあり得ない。
 制限やしがらみとうまくつきあっていこうとすることで、人はいろんなことを感じたり、思ったり、考えたりするのではないのか?

 そんな、どこまでもスクエアな自分が緩むのが、そのときなのだと思う。
 開放される瞬間。
 それは、わたしにとってはかすかなスリルに値する。

 みなさんは、どんなときにスリルを感じます?
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by fastfoward.koga | 2006-01-18 23:50 | 往復書簡