言霊の幸わう国

ホームタウン

 京都はほんまにいいとこやなと、最近思う。
 それはなんかようわからんけど、年齢を重ねれば重ねるほどしみじみ思うようになった。

 大学を受験するときに、わたしは京都以外の大学に行きたいと強く強く思った。
 京都にはたくさん大学がある。京大みたいに頭のいいとこから、わたしの頭でも入れるとこまで。
 でも、大学で京都から出えへんと一生京都から出られへんような気がして、結局は片道2時間かけて神戸の大学まで4年間通った。

 今思うと、そんなことしんでもよかった。
 でもそう思えるのは、出たからこそなのかもしれへんとも思う。

 京都のいいとこはどんなとこ? と聞かれたら、いつも一瞬言葉につまる。
 わたしが気に入っているとこは、ごくごく些細で私的な景色や場所やから人に薦められるようなとこやない。
 東西南北に走る通りとか、山がすぐそばに見えるとか、そういうなんでもないことがいいなと思う。

 例えば。
 車で走るなら、東大路通は断然北向き。
 川端通は北向きやと左京に入ったあたりから山が間近に見えるとわくわくするし、南向きにの景色はだいたい四条や祇園あたりで飲んで帰るときにタクシーの中から見ることが多いから、後部座席からの景色が目に馴染んでる。
 堀川通は上京のあたりを南向きで、信号をすいすいくぐり抜けて走るのがきもちいい。
 反対に、五条通と西大路通は苦手。ごちゃごちゃしてて、どうも走りにくい。

 歩いてなら、寺町通りのちょっとさびれ加減がいい。
 この間書いた(「フルボリューム」)四条から京都駅までの烏丸通も、たまに歩くと新鮮な感じがする。
 あとは、四条通を東へ向いて歩いて、途中横断歩道を渡りながら八坂さんを遠くに眺めると、あぁ京都やなあといつも思う。

 それから。
 旅行や出張で京都を離れると、いつも帰ってきたときに山を見て安心する。
 特に東のほうから帰ってくると、比叡山がまず見えるので「叡山が恋しいわぁ」というチチが教えてくれたセリフを思い出す。

 歴史があるとか、人気があるとか、そういうことやなくて、ただ自分が生まれ育ったというだけでその町は愛しい。
 今は京都がもっとすきになるんやったら、京都を離れてもいいなと思ったりもする。
 ここはいつでも帰ってこられるところやから、安心して離れられるしな。

 みなさんのホームタウンは、どんなとこでしょ? ね。
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by fastfoward.koga | 2006-02-03 00:27 | 往復書簡