言霊の幸わう国

伸びた爪

 指をそろえて折り返すと、爪が掌に触れる。
 爪がずいぶん伸びてきた。

 伸びた爪を見ると、自分は女だなと思う。
 もっと他に感じてもいいところはあるかもしれないけれど、なぜかわたしの場合は爪なのだ。

 20代の前半までは、自分が女だということを持て余していた。
 邪魔に思うことが多かった。
 たぶん、自分の中にある自分と、外に表現したい自分と、実際に表現していた自分、それぞれにギャップがあって、女であることを前面に出すのはらしくないと考えていたからだろうと思う。

 自分が女に生まれてよかったなと思ったのは、ある人をすきになってからだ。
 その人とちゃんと向き合うことができて、そう思えるようになった。

 そういえば、その人がちょっと酔っ払ったように手がきれいだと褒めてくれたことがあった。
 そんなことが、関係しているのかな。
 なんてことを、伸びた爪でキーボードを叩きながら考えた。

 爪が伸びていると、いつも以上にキーボードがカチカチなる。
 静かな夜に、きもちよく響いた。
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by fastfoward.koga | 2006-02-05 01:23 | 一日一言