言霊の幸わう国

堤防の描くライン

 今日は、車に乗って買い物に出かけた。
 途中、桜の咲いているところを何度も通った。
 帰り道は、ふと思いついて、遠回りして桜が咲いている堤防沿いへ車を走らせた。

 信号待ちで、堤防が見えるところで車が停まった。
 何人もの人が、堤防を自転車で走りぬけていった。
 うずうずした。
 桜より、堤防にうずうずした。
 自分も同じように、風を切って堤防を走りたいと思った。

 うちについたら、車をおいてすぐにまた出かける支度をした。
 残念ながら、自転車はパンクしていた・・・。
 仕方なく、原付に乗って堤防に向かった。

 わたしの住む町は、川がたくさん流れている。
 海が近くないところで育ったので、わたしにとって水を多く湛えるところは琵琶湖だったし、眺めるのはいつも川だった。
 海は、広すぎて途方に暮れる。よせてはかえす波を見ているより、川の流れを見ているほうが落ち着く。
 川はどこかに、たどり着くことができると思っているからかもしれない。

 今までそんな川を見るともなしに見ていたのだなと、久しぶりに堤防にのぼって思った。
 見えた景色は、新しい道が通ってわたしが記憶していたものではなくなっていた。
 でも、堤防をどんどん進んでいくと、求めていた景色が見えてきた。

 わたしは、堤防の描くラインがすきだ。
 堤防を下から見上げたときの横のラインと、傾斜のライン。
 きもちがいいほどまっすぐで、ずっと見ていても飽きない。

 そんなきもちを込めて写真を撮った。
 でも、写真にそのきもちは映っていなかった。
 わたしには、そんな技量はないのだ。
 だったら、せめて、言葉で伝えられるといいのだけれど。
 よ~わからん、と思ったら、近くの堤防に行ってみてくださいまし。
[PR]
by fastfoward.koga | 2006-04-07 23:28 | 一日一言