言霊の幸わう国

ショートバング

 ひとつの疑問。
 どうして、髪を切った直後には思わないのに翌日は切りすぎた! と思ってしまうのだろう?
 特に前髪。

 昨日は、仕事帰りに髪を切りに行った。
 ぼさぼさした頭をスッキリさせて、ついでもきもちもさっぱりさせようと思ったのだ。

 32年間(ここに改めて年齢を明言しよう)、肩に髪がついたのは片手で数えられる回数で、しかも短い期間しかない。
 わたしはずっとショートカット一筋なのだ。
 そしてこの1年、その短さに輪をかけている。
 たぶん髪が耳にかかるくらいの長さの男の人なら、わたしのほうが短いだろう。
 職場では、「髪切った?」じゃなく、「散髪したん?」と言われる。

 今日は朝仕事に行く支度をするために鏡を見て、やっぱり思った。
 切りすぎたかな、って。

 高校生のころ、よく読んでいた安住磨奈のショート・ショートに前髪を切りすぎた女の子の話があった。

 こんな前髪じゃ恥ずかしくて学校に行けない! と一晩中、鏡の前で葛藤する女の子。
 徹夜で試行錯誤したものの結局はまっすぐに前髪を下ろして学校に向かうけれど、周囲の反応を敏感に感じて早退しようと保健室に向かう。
 すると、気になっている男の子と階段ですれ違う。
 話もしたことはないけれど、顔くらいは知っているはず。だったら、この前髪を見たら、「おっ」なんて反応をするかな・・・。
 と思っていたのに、目が合ったはずの男の子は彼女の変化に気づかず階段を上がっていった。
 女の子はそこでこう思う。

 「やっぱ早退しよう。もう一度、美容室に行こう。髪金(パツキン)でもドレッドで
 もいい、あの子が目を見張るくらいのインパクトを持つ。
 『なんだよ、あのスゲエ女』って、見たくなくても目に入っちゃうようなスタイルに
 して、髪の下にある名前や好きな食べ物や、それからあの子と仲よくしたい心や
 らいろいろあることを、知ってもらうんだ。」


 髪を切ることは、軽い魔法だ。
 現に、昨日、落ちた髪を見て憑き物が落ちたような気さえした。
 だから、切りすぎたような気のする前髪もオッケー、オッケー。
[PR]
by fastfoward.koga | 2006-05-25 22:19 | 一日一言