言霊の幸わう国

太陽よりも北風を

 原付に乗って少し涼しい風に当たりながら思い出していたものがある。
 それは、イソップ童話の「北風と太陽」だ。

 小さいときに、絵本で読んだはず。
 思い出すと、絵も思い浮かんだ。

 半袖でも、素足でも、もう充分な季節。
 でもわたしはまだどちらにも手が出ない。
 うちの中では半袖に裸足でいるのに、なぜか外に出るときには億劫になる。
 どうもガードが固くなる。

 上着をはおるとか、ウールを着るとか、コートを手にするとか、冬だって、そのためらいはいつだってある。
 でもいつも思うのだけれど、夏の方がかなり慎重だ。
 ただの開放感では手は出せない、と思ってしまうのだ。

 妙なところで、妙なきもちにこだわっている。
 考えれば考えるほど、手が出せなくなってきた。

 太陽の陽射しがガンガン照れば、さすがに袖は短くなる。
 でも、ひねくれもので、日焼けがいやなわたしは暑いからといって上着を脱ぐとは限らない。

 案外、北風で脱いでしまうかも。
 強い強い風で、ぴゅーっと長い袖を吹き飛ばしてほしい。
 一緒に固い鎧も、ためらいも、持っていってくれたら言うことないのに。
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by fastfoward.koga | 2006-06-12 23:32 | 一日一言