言霊の幸わう国

レアな言葉

 寄り道をして、帰ってきた。
 仕事が終わって駅に着いたのが23時すぎ。そこから、マクド(あぁ、関西人)に行った。
 チーズたまごダブルマックを食べながら、空いた店内を眺めていた。
 女の子のふたり組みが4組。わたしのあとからカップルが1組。あとはテイクアウトのお客さんが入れ代わり立ち代わりやってきた。
 結構、人の出入りは多かった。

 別にハンバーガーが食べたかったわけではない。
 うちに帰りたくなかったわけでもない。
 今日は、ファーストフード店で感じるものを、感じたかったのだ。

 店内では、いつも持ち歩いているちいさなメモを開いた。
 そこに何ページにも渡って言葉を綴った。
 わたしがしたかったのはそういうこと。

 高校生のころは、今しかないという思いに強く惹かれていた。
 その刹那的な感じが、単調なリズムの毎日を過ごすわたしにとてつもない魅力のあるものに映った。
 だからそこにしかないもの、そこでしか生まれないものをいかに逃さないかを一生懸命考えていた。

 それがいつのころからか、特にブログを書き始めてからは、いろんな場所でいろんなときに感じたこと、思い浮かんだ言葉、そういうものはいざ書こうとしたときに思い出せなかったらそれはその程度のものなのだと思うようになっていた。
 昨日までの数日間、わたしは自分の中にある言葉をどんなふうに外に出そうか頭を悩ませていた。
 昔書いたものや、好きな本のすきな場面を読み返したりして、なんとか外に出すきっかけを探していた。
 でも、うまくいかなかった。その存在は確かにあるのに、形を描こうとするととたんに重さを感じなくなってしまうのだ。

 今日1日、ずっと違和感を感じていた。
 どうすれば、あるものをあると表現できるのかを考えていた。
 仕事で報告書を書いているときに、ふと白っぽいファーストフードの店内の映像が思い浮かんだ。
 ただそれだけで、店内に足を踏み入れた。

 寄り道したときは、そんな場所で解決できるのか半信半疑だった。
 でもパソコンもまともな紙のない場所で言葉が出るのか、試しにやってみようと思った。

 書き留めた言葉は、もしかしたら今こうやってパソコンに向かっていても出たものかもしれない。
 でもわたしはもう1度、その瞬間にしか出せない言葉の存在を信じてみたいと思う。
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by fastfoward.koga | 2006-06-18 00:15 | 一日一言