言霊の幸わう国

言葉はいらない

 花火を見てきた。
 早くから場所取りをして、ビールを飲みながら時間をつぶし、1時間半、夜空の大輪の花にうっとりとした。

 花火の前では、言葉は無意味だった。
 うわーとか、キャーとか、わぁーとか、出たとしても、すごい、だった。
 あほの子みたいに口を開けて、首が疲れるくらい真上を見てそんな言葉ではない声を発していた。

 視界にめいいっぱい広がる花火。まるでプラネタリウムを見ているようだと、思った。
 降りかかるように落ちてくる火の粉。
 その火を大輪の花から少し視線をずらして、消えてゆくまで見つめた。
 きれいで、はかない。
 次から次へと現れては消えてゆく花火を、たくさん飲み込んだ気がする。

 今日はお腹いっぱい。
 
 見てきた花火をもらすことなく書き残したいけれど、やっぱり花火の前では人は言葉を無意味にする。
 ボキャブラリの貧困さという程度の問題でもないな。
 花火に言葉はいらないのだ。
 完敗。
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by fastfoward.koga | 2006-08-10 22:43 | 一日一言