言霊の幸わう国

世界創造

 会社を早退した(正しくは、半日年休をとって昼過ぎに退社)。
 職場の近くでお昼を食べてから、国立国際美術館へ向かった。
 お目当ては、三度目の再会になる金子潤展だ。

 すごく楽しみにして出かけた。
 が、正直がっかり。
 入れものが違うと、作品はこうまで違って見えるのかとしみじみ思った。
 多治見の現代陶芸美術館がすばらしすぎたのだけれど、国立国際美術館は床が木目だったからあのカラフルな作品が活かせなかったし、展覧の仕方もイマイチ。
 わたしが1番すきな作品も、あそこではオーラが弱くなっていた。
 残念。

 でも、1フロア下で開催されていた「三つの個展 : 伊藤存×今村源×須田悦弘」は作品を見れば見るほどテンションが上がった。
 ひとり作品を見ながら、小さい声で「おもろーい」と何度もつぶやいた。

 どのアーティストの作品も、食い入るように見た。
 その中でも1番長い時間眺めたのは、伊藤存の「親指現象」という作品だ。

 展示されていた彼の作品のほとんどは刺繍によるもので、大きな布に色とりどりの糸で描かれた作品に度肝を抜かれた。
 どうやったら、刺繍でなにかを表現しようと思いつくのだろうという疑問に取りつかれ、「親指現象」になぜ惹かれるのかという疑問に頭を悩ませた。
 ちょうどその作品の前にイスがあったので、しばらくじーっと見ながらそのことについて考えてみた。

 黒い布に縫いつけられた黄緑の糸。
 一生懸命自分の中にある記憶を辿った。
 惹かれる理由はちゃんと自分の中にあるはずだと思ったから。

 必死になって考えて辿りついたイメージは、夜の飛行機から下界を眺めて、稜線をなぞるような感じだった。
 それをキーワードに、わたしの世界はまた広がる。

 が、しかし。
 わたしの望みはすでにある世界を広げるだけではなく、新しい世界を創りたいのだ。
 野望は続く。 
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by fastfoward.koga | 2006-08-18 20:23 | 一日一言