言霊の幸わう国

わけも、なにも、ない

 世の中には、おもしろいことを考え、書く人がたくさんいる。
 本を広げて、何度笑いがもれたことか。

 昨日買った雑誌「papyrus」
 そこに載っていた、吉田篤弘の「ブランケット・ブルームの星型乗車券」がとっつきにくさとはうらはらに読み始めるとおもしろかった。
 書かれていたのは「わけもなく」について。

「初めてこのフレーズを発明したヒトは、おそらく言葉通りの意味あいで使ったのでしょうが、多くの人たちに繰り返し使われるうちに、『わけもなく』は立派な『わけ』のひとつとして確立されてしまいました。
『これこれ、こうで』と、まことしやかな理由をくだくだ並べられるより、『わけもなく』の潔さが何よりも強く、今や『わけもなく』は数ある『わけ』の中で、ダントツ一位の説得力を持つようになりました。」


 読んだあと、自分がこの「わけもなく」を乱用していないかと考えてしまった。
 わけがないことが、悪いということではない。
 でも「わけもなく」という言葉が逃げ道のような気もした。

 ある日、ある人と気になることの話をしていたときに、それが気になる理由を聞かれた。
 なんでやろ~、とわたしは答えた。
 すると、そんなこと考えなくてもいいんだよ、と言われた。
 そのとき、密かに泣いた。相手にわからないように、泣いていた。

 わけばかり考えてきた。
 わけが自分の価値だった。
 でも、それも疲れたし、飽きたな。ちょっと違うやり方を選択してみたい。

 わけがないのではなく、そこになにもなかったら。
 やっぱり人は前には進めないもんだろうか。
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by fastfoward.koga | 2006-08-29 21:59 | 一日一言