言霊の幸わう国

ビックリ箱

びっくり悲しいじゃなくて

 今、どんな感情がほしい? と聞かれたら。
 うれしいがほしいと言う。
 今、じゃなくても、たぶんわたしはいつもそう答えるだろう。

 最近は、ずっと人の感情は喜怒哀楽しかないと思い込んでいた。
 いつもいつも自分の微妙な感情に目を凝らしているわりに、どこかで囚われていた。

 そんなふうに軽く煮詰まっていたとき、ひゅんとアンテナにひっかかるものがあった。
 Boneさんのイラストと、この言葉だ。

「この『驚く』というのが最近の発見で、何ごとにせよ『素晴らしい』よりも『美しい』よりも『おいしい』よりも、出来れば『驚いた』と誰かに言わせたかった。
 ついでに僕自身も心から驚くことに出会えればなお良いのだが、どうやら歳をとるとそう簡単には驚かなくなり、おそらくそれは驚く気持ちの間に何かが立ちふさがるからに他ならなかった。
 立ちふさがるのは、たぶん『冷静』とか『沈着』とか『平然』といったものだ。それはそれでときには必要なものであるからややっこしい。」

               吉田篤弘 『それからはスープのことばかり考えて暮らした』

 わたしは人を楽しませたり、笑わせたりするのは決して得意ではない。
 でも、ささやかなサプライズくらいならできるかも、と思った。
 偶然やハプニングや無欲から生まれる驚き。
 そういうものを、箱につめて届けたいなと思った。

 願わくは、自分もうれしいビックリが1日1つあればいい。
 記憶に残らないくらいのささやかさだとしても、あるのとないのとでは大違い、じゃなかろうか。
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by fastfoward.koga | 2006-09-08 22:57 | 一日一言