言霊の幸わう国

いけすかない街

 初めてトーキョーへ行ったのは、確か大学生のころだった。
 それからときどきライブを見に行ったり、兄のところへ行ったりしていた。
 そのころは、トーキョーで関西弁を話すのが恥ずかしかったり、行きかう人に恐怖心を持ったりした覚えがある。

 ここ6年くらいは、毎年必ず研修や会議で東京へ出かけてゆく。
 そこでは話さないと行った意味がないので、トーキョーで関西弁を話すことにも抵抗はなくなったし、街中で漠然と怖いと思うこともなくなった。

 でも、ずっといけすかないところだと思っていた。

 不思議なのだけれど、トーキョーの街を歩く人はみなトーキョー顔をしている。
 そしてふと考える。
 じゃあ、わたしはキョウト顔なのか。
 キョウト顔って、いったいどんな顔だ。

 そんなことを虎ノ門のスタバで、通り過ぎている人を見てぐるぐる頭をめぐらせた。
 おかしいのがそのあとで、そんなことを考えていたのに昼食をとるために外に出たある日、「虎ノ門駅はどっちですか」と道を訊かれた。
 その人にはわたしがキョウト顔に見えなかったらしい。

 最近はトーキョーに行ったら、できるだけ歩くようにしている。
 どうしても地下鉄で移動することが多いので、いろんな制限がなかったら駅3つ分くらいは歩く。
 そうして、旅したときと同じように道と位置関係を覚える。

 今回は日本橋、神田駅周辺を歩いた。
 なんてことのないと思っていた場所も、自分の足で歩いてみるとおもしろい。
 と思いながら、さくさくと雨の中ホテルへ帰った。

 やっぱり5センチヒールじゃ、歩くのも限界がある。
 もう仕事でトーキョーへ行くこともなくなるだろうし、次からはもっと歩きやすい靴で行こう。
 いけすかないと思っていた分、きっと楽しいだろう。

 でもトーキョーをすきなところだとは言いたくないし、言わない。
 なんだろうねぇ、そこはキョウト人のプライドなのだ。
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by fastfoward.koga | 2006-09-18 21:40 | 一日一言