言霊の幸わう国

ニイガタ・ムラカミ通信 「雨女」

 出かける前は、雨マークなんてなかった。
 出発の前日に偶然電車で会ったK嬢には、雨の心配はないねん! と豪語していた。

 んが、やっぱり雨は降った。
 
 天気予報を信じて、折りたたみ傘すらも持たずに行ったのに。
 雨が降り出して、またもやがっくり肩を落とした。
 傘いりませんか、と言ってくれるはこやさんの言葉に、ギリギリまでいやいいよと言ったのは事実を認めたくなかったのだ。

 雨女だという自覚はあるけれど、もうそろそろそんな冠もはずれてもいいころではと勝手に思っていた。
 でもやっぱりまだまだのようだ。

 村上最後の日、笹川流れまで車を走らせてもらった。
 雨じゃなかったら、途中どこかで車を降りてもよかった。
 間近に見えるごつごつした岩肌を目の当たりにして、そう残念に思うきもちもあった。
 でも、ワイパーがリズムよく動く向こう側に見え隠れする日本海も悪くはないと思っていた。

 新潟市内では何枚か写真を撮っていた。
 でも、村上では1枚しか写真は撮らなかった。
 直接見たものを自分の中に取り込むのに必死で、カメラに手は伸びなかった。
 写真に残さなくてもいいと思う種類の、旅だったのだ。

 でも笹川流れの車の窓ガラスと雨の向こうに見える海は、しっかりと映像になって胸に沈んでいる。

 結局、もらった傘はほとんどさすことがなかった。
 記念にと、夕陽が現れた晴れの伊丹空港からうちまでしっかり握り締めて帰って来た。

 4日間の旅の終わりに降った雨。
 はこやさん曰く、飛行機で東へ移動したから、雨がわたしについて来られなかったんだそうだ。
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by fastfoward.koga | 2006-10-03 23:50 | 旅行けば | Comments(0)