言霊の幸わう国

文明の利器

 よく聞く話。
 携帯がない時代には・・・、というアレ。

 少し前までは、ないならないでそれもよかったのになぁ、なんて思っていた。
 手紙とかうちの電話とか、少し進化してポケベル、パソコンメール。
 少し邪魔くさい感じがまたいいのに、とそういうものの良さを頑なに守ろうとして、あまり携帯社会万歳! という気にはならなかった。

 でもやっぱり今は、なくてはならないものになった。
 夜道で、電車の中で、飲み屋で、携帯電話を思わず握りしめてしまうから。

 ある年の、ある夏の日。
 メールがくると思っていたから、会社からうちへ帰る間携帯をバイブにしていた。
 あと10分ほどで駅に着くころ、膝の上に載せていたカバンの中で携帯が震えた。
 わかっていたのに、体が伸び上がった。
 携帯を開くと、短めのメールの最後に声が聴きたいと書かれていた。
 読んで、きもちが震えた。

 そして、先日。
 メールをいいタイミングで送れず、小さな行き違いが起こった。
 気づいたときにアクションを起こしたけれど、ミスはカバーできなかった。
 普段は乗らない電車で、やきもきして過ごした。本を開く気にもならなかった。
 軽い自己嫌悪で、首にぐるぐる巻いたストールに半分顔をうずめた。
 その中でつくため息で、窒息しそうなくらい。
 右手には、携帯電話。なかなかカバンの中にしまえず・・・。

 そろそろ固い頭を柔らかくして、携帯電話もうまく使いこなさなくちゃなー。
 せっかく今を伝えられるものなのだ。
 そのときのきもちを、伝えなくては。
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by fastfoward.koga | 2006-10-18 23:07 | 一日一言