言霊の幸わう国

大往生

 日曜日、新しいバイクを見に行った。
 決めてしまうかはあまり考えず、とにかく実物を見せてもらおうと思っていた。
 でも見たらすぐにでもほしくなって、契約をして帰ってきた。
 その日から、もううれしくてうれしくて、早く新しいバイクに乗ることばかり考えていた。

 今乗っている原付は、19歳の冬に買った。
 タイヤは2回履きかえた。
 エンジンも1度直してもらった。
 規制のゆるいときに作られたものなので、予想以上に長く乗ることができた。

 13年と半年ちょい。
 そんな長い間、乗り続けた原付。
 それももう明日まで。
 あさってには廃車証明書をとるために、ナンバープレートをはずす。

 今朝そう決めたら、急に名残惜しくなった。
 今日の帰り道では信号で止まったときに、思わずライトの丸い部分を左手で撫でた。
 よしよし、今までよくがんばってくれた、と。

 以前気に入って履き続けた靴を捨てるとき、同じことを感じた。
 もう履けないからと簡単に捨てる自分に、心底がっかりするきもち。
 なんてわたしは薄情なのか。

 でも実際のところ、乗らない原付を置いておくこともできない。
 保険の継続をするために、新しいバイクの納車までに廃車にしてしまわないといけないし。

 ここは涙をのんで、捨てなくては。
 ただ今胸にあるきもちだけは、捨ててはいけない。
 感謝、感謝。
 そしてお疲れさま。 
[PR]
by fastfoward.koga | 2006-10-31 22:27 | 一日一言