言霊の幸わう国

意外

 昨日、一緒に飲んでいたともだちから発せられた言葉に、ドキリとした。

 そのともだちとは夏ごろから飲みに行こうといいながら、なんだかんだ引っぱって、結局半年も会うまでに時間がかかった。
 やっと、と思っていたのに、会議が長引いたとかでともだちは待ち合わせから1時間遅刻してきた。

 12月の金曜日。
 街は忘年会や飲み会にくり出す人で溢れている。
 遅れると言われたときはどこかで本を読んで時間をつぶそうかと思ったのに、予約しているからひとりで先に店に入ってくれ、とのこと。
 事前になにが食べたい? と聞かれ「鶏」と答えたので、その日のお店は焼き鳥屋。
 店の前まで行って、中の様子がわからないのでここでひとりかと内心思った。
 でも結局は45分ほど、カウンターにひとり座って焼き鳥をつまみながらビールを飲んでともだちを待った。

 遅れてやって来たともだちに、夏前からの「いろいろ」について話をした。
 わたしは覚えていなかったのだけれど、夏ごろメールで「最近どう?」と聞かれて「いろいろある」と答えていたらしい。
 頭の中では半年の出来事が嵐のように駆け巡ったけれど、かなり短縮して言葉を選んだ。

 そんなこんなで、仕事の話をして一段落ついたところで、ともだちがこう言った。
「仕事、すきやねんなぁ。そんなけ、仕事の話するんやもんなぁ。」

 一瞬、自分の動きが止まったのがわかった。
 手も体も視線も。

 わたしはほんの一瞬考えて、答えた。
「そう、なんやろうね。」

 意外に、響いた一言だった。
 そうそう、最近忘れていたけれど、わたしは仕事がすきだったのだ。
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by fastfoward.koga | 2006-12-16 21:45 | 一日一言 | Comments(0)