言霊の幸わう国

足跡

 ここ数日、読書を含め、いろんなことに集中することができなかった。
 とりあえず本くらいはまっすぐ読みたいなと思っていたら、急に昨日の会社帰りの電車から言葉がすーっと頭に入ってくるようになった。

 のめり込む。
 それに近い状態で、今日も心地よく揺れる電車の中、本を読み続けた。
 遅々として進まなかったペースがみるみる上がり、最寄り駅に着くころにクライマックスにさしかかった。

 読み終えるにはまだ20分はかかりそう。
 でも調子も気分もあがってきて、ここで本を閉じるのは惜しい、と思った。
 電車を降りて、階段を目の前にしたときに前にも同じことがあったなと、頭の中の探索機がカタカタと動いた。

 すぐに思い出したのは、読んでいた本。
 そしてその本の一節。
 今まで、忘れたことがない強く残る言葉。

「『ママ。ママは神様を信じる?』(中略)
 でもねえ、とそれまでの不満な調子とは打って変わって、ママは花が開く時のようなしっとりした口調になった。
『でもねえ、好きな人の大事に願をかけられる程度には、神様にはいてほしいわねえ。』(中略)
 相変わらず、狂ったように汚れた部屋であたしは考える。
 花を咲かせるのは誰なのか、
 人を泣かせるのは誰なのか、
 あたしが生まれるよりもはるかに昔から、変わることなくこの地の上で繰り返される出来事のすべてが、その人の予定調和なのか、考えている。
 そして彼の予想外に、あたしは死ぬほど幸せになろうと思う。」

                                     安住 磨奈 『HELP』

 わたしは、自分でも驚くほど自分が幸せになることを信じて疑わない。
 どんな谷があっても、山があっても、最後は幸せになるのだと思っている。
 そんな思いの原点は、ここなのだなと今気づいた。

 電車を降りて夜道を歩きながら、あの本が、あの言葉が、わたしを作っているのだとぽつんと考えた。
 10代から20代前半に読んだ本。
 わたしを作った多くの言葉。
 今年はそれを探しに行こうと思う。

 そろそろ、こんなに大きくなりましたと、報告せねば。
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by fastfoward.koga | 2007-01-26 23:56 | 一日一言