言霊の幸わう国

おやすみなさい

録画を頼まれていたビデオを取りにきたN嬢は、帰り際、こう言った。
「おやすみ~」と。

 わたしは、十年程前、この「おやすみなさい」が恥ずかしくて言えなかった。
 なぜ恥ずかしいかというと、眠るということはわたしにとって素になることで、その素に戻るためのスイッチを押す「おやすみなさい」が照れくさかったのだ。

 今は、あのころほどの恥ずかしさは感じないけれど、それでも誰かに「おやすみ」を言うときにはひそかに気合を入れて、言ったあとにはしっとり、ほっこりしたきもちになる。

 夜遅く、電話を切るときに必ず「おやすみ」と言ってもらったときのあのドキドキしたきもちを、今日はじっくり思い出した。
 
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by fastfoward.koga | 2005-02-03 21:08 | 一日一言