言霊の幸わう国

もしかしたらの先

 冷たい風が吹く中、横断歩道が青になるのを待っていた。
 反対側の歩道で待つ、同じく寒げな人の列を見ながら、「たら」と「れば」について考えていた。

 もしかしたら、という世界は存在しない。
 どんなに妄想をふくらませようとも、そんな世界は実現しない。

 でも、ふと思う。
 1度逃したチャンスがまた巡る幸運にめぐまれたとき、これはもしかしたらの世界なのかと。

 寒さに耐えられず自分で自分の腕を抱きながら、そう思った瞬間に否定した。
 今目の前ににあるのは、やり直すためのものではなく新たに巡ってきたものに違いないと。

 予期せぬ訪問者に自分は翻弄されていると、来た道を戻りながら心の中でつぶやいた。
 いったい誰のしわざなのか。
 そんなつまらないことを続いて考えた。

 涙も出るし、ため息も出るし、絶句もするし、途方にも暮れる。
 でも身から出た錆。

 捨てゼリフを放ったのだ。
 わたしは、手を離すときにえぐるような言葉を口にした。

 受けて立とう。
 視線は下げずに、前を見なくては。

 きっと、相手は凛としたわたしを望んでいる。
 もしかしたらではなくその先にいる、今ここでこの2本の足で立っているわたし。
 そうでなければ、ならぬのだ。
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by fastfoward.koga | 2007-02-03 00:00 | 一日一言 | Comments(6)
Commented by calligraphy_m at 2007-02-03 00:27
冬のシンとした寒さの中、二本足で凛と立つコガさん!
ひゅーー、カッコイイ!そして、がんばれー。
Commented by mackworld at 2007-02-03 02:57
■それは日本の足なのか?
「if」の世界は、交わることのない線路の二本線かもしれない。
「凛」と言う字には「潔」という背景が見えまする。
Commented by BoneWhite at 2007-02-03 21:07
成せば成るの気合いを感じます。
私はやり直しは利かず今が全てなんだと
たくさんの取り逃がしを前に悔しく感じている最中です。
逃したというか機は熟したなのかもしれませんが
同じく気合いを入れて向かっていかねば。
Commented by fastfoward.koga at 2007-02-03 22:36
calligraphy_mさん、こんばんは。
かっこよくなどないのです。
すーぐ、逃げることを頭のどこかで考えてしまうくらいなので。
でも、今はふんばりどころなのだと気づいたのです。
Commented by fastfoward.koga at 2007-02-03 22:37
mackさん、こんばんは。
そうですね、もしかたしたらの世界は、今わたしがいる世界と平行に走っているのかもしれませんね。
潔さ。
それもわたしが今ほしいもののひとつです。
Commented by fastfoward.koga at 2007-02-03 22:38
Boneさん、こんばんは。
気合で、乗り越えたいと思っているのかもしれません。
「機が熟す」。
これもいい言葉ですね。
胸に沁みますー。