言霊の幸わう国

ヒントマン

 春一番が吹いたあとの、雨上がりの道を歩いた。
 歩きながら、自分の口がとがっているのはわかっていた。
 昔からの、わたしの癖だ。
 むくれたときはいつもそうなる。

 さっさと帰ればいいのかもしれない。
 こうして歩いていると余計にイライラすることに出くわすかもしれない。
 と思いつつ、どんどん歩を進めて、救いを本屋に求めた。

 入ったことのない大きな本屋。
 くさくさしているのでいちいち本の背表紙を見るエネルギーはなかった。
 探していた本と目についた雑誌を2冊手にして、レジへ向かった。

 出口へ向かう途中で、1冊の本を手にしてまた元に戻した。
 店を出て、暗い道から明るい店内を眺めた。
 明るくてまぶしいなと思った。

 とにかく今は、自分のアンテナにいろんなものを引っかけたいと思っている。
 どこに答えがあるかわかならないから、手当たりしだいに手を伸ばすしか方法が今は見つからないのだ。

 初めて入った大きな本屋には、なにかヒントがあるような気がした。
 でも、わたしは足早に店を出た。
 みすみすその機会を逃したなと、ガラス越しに見えた写真集の陳列を見て思った。

 キラキラしたものは、すぐそばにあるのに。
 うまく手にすることができなかった。

 そうやって目の前を通り過ぎていったものが、今までにいったいいくつあったのだろう。
 あー、逃した魚は大きかった。
 ような気がする。
 と、今日はひとりごちてみる。
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by fastfoward.koga | 2007-02-14 21:40 | 一日一言