言霊の幸わう国

2月の巻

1  青木直己   幕末単身赴任 下級武士の食日記
2  酒井順子   女子と鉄道
3  柴崎友香・田雜芳一
            いつか、僕らの途中で ※
4  スコット・フィッツジェラルド
            グレート・ギャツビー
5  島本理生   ナラタージュ
6  島本理生   シルエット ※
7  島本理生   リトル・バイ・リトル ※
8  長島有     猛スピードで母は ※
9  藤代冥砂   クレーターと巨乳


 2月に読んだ本はどれもいつもよりそれぞれ感じるところが多く、読み終わったあとにどの本のことを書こうかと考えていました。
 1月はどうも集中して本を読むことができなかったので、久しぶりにただ本を読むことの楽しさを持続できたことがこれまた楽しく感じました。

 スコット・フィッツジェラルドの「グレート・ギャツビー」は村上春樹訳です。
 海外の作品は、いつものことのことですが、読み始めはなかなかペースがつかめなくてもそもそします。
 でも突然目の前の靄が消えてなくなるように、するすると読み進められる瞬間に出くわします。
 海外の作品を読むときは、いつもその瞬間を待ち望みながら読んでいます。

 この作品の中で印象的だった言葉がひとつ。
 主人公のまたいとこの子供の夫の浮気相手の女性(なんて長い説明)が、浮気をするきっかけを話している場面。

「二人でタクシーに乗り込むとき、自分がいつもみたいに地下鉄に乗ってないということにも気づかなかった。あたしが頭の中で繰り返し繰り返し考えていたのは、『人は永遠に生きられない。人は永遠に生きられない』って、それだけ。」

 この一節を読んだあと、同じようにわたしもくり返しつぶやいてみました。
「人は永遠に生きられない。人は永遠に生きられない。」

 背中を押してくれるとか、心に沁みいるとか、そういった類の言葉ではありませんが、なにかしらしっくりくるものがありました。
 350ページの中から、わたしが掬い上げた言葉。
 そういう言葉をひとつでも見つけることができれば、本を閉じて一息ついたときに思うのです。
 読んだ甲斐があったなと。
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by fastfoward.koga | 2007-03-04 20:59 | 本の虫