言霊の幸わう国

◆9つの話◆   3.ひとり旅の夜

 ひとりでいろんなところへ行くようになった当初、自分がひとりだということを少し意識していた。
 まわりから見ると、今のわたしはどんなふうに見えるのかな、と。

 今でもそのきもちが皆無なのかと言われればそうではない。 
 でも、だんだんひとりでも居心地のいい場所や過ごし方がわかったきたなとは思う。
 
 今回はひとりで飛行機に乗って、ひとりで温泉に入って、ひとりで新幹線に乗って、ひとりでゴハンを食べて、ひとりでホテルに泊まって、ひとりで飛行機に乗って帰って来た。

 その一連の動きの中で、我ながら不思議なのは、自分がひとりだったような気がしていなかったことだ。
 そこにあるのは、ただひとりだったという事実だけ。
 それ以上でもそれ以下でもない。

 田沢湖駅へ戻り、その日の宿のある角館へ移動。
 ホテルに着いて少しテレビのニュースを見てから、すぐにゴハンを食べに行った。

 思いつきで入ったわりにはものすごく居心地がよいお店だった。
 そのせいで調子に乗って、少し日本酒を飲みすぎた。
 お店のご主人たちと話が盛り上がって、まだ売られていないというお酒までいただいた。

 ほろ酔いくらいだと思ってホテルへ戻ったけれど、意外に飲んでいた(ようだ)。
 お風呂にも入らずにそのまま眠ってしまった。

 喉の渇きで目覚めること数回。
 眠いのか眠くないのかも感じず起き上がったあと、待っていたのは胃のむかつき。
 その程度ですんだことを、よしとしよう。
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by fastfoward.koga | 2007-03-15 20:38 | 旅行けば