言霊の幸わう国

繋がり広がる

 今回の旅は、関東方面へ行くとだけ周囲に言い残し出かけた。
 そんなアバウトさでもってうちを出るわたしを、ハハはいつものように送り出してくれた。
 というより、33の娘はそう若くはないということなのか。

 金曜の夜、仕事が終わってから新幹線に乗り東京へ。
 埼玉に住む旅の友のところから土曜日は出発し、群馬・長野・群馬へと車は走った。
 日曜は新潟にまで足をかけ、そこからまた群馬・埼玉を経由し東京へ戻り新幹線に乗った。

 うちに着いて、自分の部屋にどかっと荷物を下ろすとタイミングよくメールが届いた。
 すきな人からだった。
 すぐに電話をすると、ゆったりした様子で彼は話を聴いてくれた。

 道のりを話し、食べたものを話し、目に映ったものを話し。
 それらを聴いたすきな人は、ともだちにはおみやげ買ってきた? とわたしに質問した。

 わたしはしばらく考えて、なんにもと答えた。
 そうなんにも買わなかった。
 みやげらしいものは、なにもない。
 すきな人にも親にもともだちにも、自分にも。

 すきな人はその答えを聴いてから、自分のための旅だったんだねとさらりと口にした。
 あまりの軽さにその正しさを間違えてしまいそうになったけれど、そうなのだ。
 今回の旅は、誰のものでもなく、どこまで行っても自分のための旅だった。

 旅に出ると、ついついいらないものまで買ってしまうことがある。
 それは今思うと、旅の高揚感を消化することができなくてすりかえていたのだとわかる。
 決して、悪いことではない。
 悪いことではないけれど、いつものせっかちさがせっかくの楽しみを逃していたような惜しい気もする。

 週末、わたしは自分の五感でキャッチしたものでお腹がいっぱいになれた。
 隙間などないくらい、空けてあった空間は埋められた。

 と、帰ってからまたじわじわと旅の味を噛みしめている。

 そう、感謝しなければ。

 旅の途中気づかなかったことに気づかせてくれたすきな人に。
 なにも言わず送り出してくれた両親に。
 みやげ話だけで楽しんでくれるであろうともだちに。
 そして、そんな貴重な旅に誘い連れ出してくれた旅の友に。

 旅することで繋がった世界は、旅から帰り世界を広げた。
 それが、思い込みでなければいい。
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by fastfoward.koga | 2007-05-22 23:03 | 旅行けば | Comments(2)
Commented by cool-october2007 at 2007-05-23 20:22
いい話だね。
自分が経験してきた旅のことを喜んで聞いてくれる相手のいる
幸せってヤツだね。
Commented by fastfoward.koga at 2007-05-23 22:34
coolさん、こんばんは。
えへ(笑)。そうです。幸せです。のうのうと言ってしまいます。
ついでに言いますけど、いつもどこにいても「おかえり、楽しかった?」と訊いてくれます。