言霊の幸わう国

いつもと違う1日

 7月2日。
 いつもより早い電車で出勤した。
 6時台の電車だから、いつもより1本早いだけでもホームの雰囲気が違って感じた。

 2泊3日の荷物を持ち、とうてい仕事に行くとは思えないようなラフな格好。
 仕事帰りに伊丹から飛行機に飛び乗る算段をしていたわたしは、格好だけはすぐ旅に出られそうだった。

 ホームに電車が滑り込み、乗り込もうとしてハッとした。
 いつもの電車で一緒になるメガネのサラリーマンがホームにいたのだ。
 腕時計を見て、時間を確認する。
 1本早いと思ったのは、勘違いか!?
 いやいや、彼も今日は1本早いのだと落ち着いて時計を見て気づいた。

 乗り換えて、特急に乗った。
 さっきの後遺症で、ホームにいつもの風景が見えないかキョロキョロした。
 特急電車が来てもやっぱりいつもとは違った風景で、ほっとしてシートに腰を下ろした。
 でも次の駅で、やっぱりいつもの特急で見かける女性が乗り込んできた。
 学習したわたしは、あーびっくりしたとひとりごちて目を閉じた。

 1本電車が早いだけで、特別なような気がしていた。
 と言うよりは、特別であってほしいなと思っていた。

 誕生日なのだ。
 毎年ほどその1日を意識していなかったけれど、やっぱり誕生日なのだ。

 眠ろうとしても眠れなくて、特急の中で考えていた。
 どうして誕生日は年に1度しかないのかと。

 まわりの人の誕生日は1年に何度もある。
 でも自分は1回だ。

 そんなわけのわからないことを考えていた。

 結局、その日の大半はいつもどおり過ぎていった。
 そう、いつもどおりと思えばいつもどおりなのだ。

 でもわたしは当初決めていたとおり1時間の残業を終えて、いつもとは逆の電車に飛び乗った。
 向かうは伊丹空港。
 それだけで、十分じゃないか。
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by fastfoward.koga | 2007-07-03 20:29 | 一日一言