言霊の幸わう国

アイロンがけのうまい男

 この間、出勤するために乗ったいつもの電車の中で、サラリーマンのシャツをずっと見ていた。

 アイロンがかかっている人。
 かかっていない人。
 アイロンがかかっているようで、実は形状記憶シャツの人。
 クリーニング屋さんのアイロン仕上げの人。
 うちアイロンの人。

 シャツを見ていると、その人はどれなのか、なんとなくわかる。
 たぶん、間違っていないと思う。

 そうやってシャツの分類が終わると、今度は左手の薬指を見る。

 指輪のある人。
 ない人。

 世の中には、どれくらい自分で自分のシャツにアイロンをかける男の人がいるのだろう。

 わたしの兄は、形状記憶シャツをできるだけ買うようにしながらも、ほしいと思うとそうでないシャツも買ってしまい、休みの日にせっせとアイロンをかけているようだ。
 でもわたしに言わせると、兄のアイロンのかけ方はまだまだだ。
 ツメが甘い、のだ。

 自分のすきな人には、アイロンがシャキッとかかったシャツを着ていてほしい。
 でも、自分であんまり上手にアイロンをかけてほしくない。
 他の人にかけてもらってるのは、もちろん論外だけど。
 
 わたしの出番が、なくなるじゃないか。
 と、心の中で声を大にしてしまう。
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by fastfoward.koga | 2007-09-03 22:37 | 一日一言