言霊の幸わう国

瀬戸内の海

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 今まで、旅先でいろんな海を眺めた。

 佐渡島を遠くに見る新潟の海。
 桜島を向こうに見る鹿児島の海。
 函館山で見る夜の海。
 東海道線の車窓から見る真鶴の海。
 青海島の観光船で見た海。

 でも今回、瀬戸内の海をゆっくり見ていて、ここが1番安心するなと思った。

 いくつもの島が浮かんで、その間を穏やかな風が吹く。
 少し離れると波も見えず、時間が密やかに進む中、小さな船が時折視界を横切っていく。
 それが本州と四国に挟まれた瀬戸内海。

 その海を、今までにそう何度も見てきたわけではない。
 でも、確かに懐かしいという思いがふつふつと湧き上がってくる。
 海よりも琵琶湖で育ってきたから、海は決して身近な存在ではないけれど、瀬戸内の海だけはそばに寄るとほっとする。

 それはきっと、わたしが小心者だからだと思う。
 他の海は広すぎて、得体が知れない。
 広いなときもちよく眺めなていながらも、どこかでその大きさに気が引けてしまう。
 実は、海は自分の手には負えなくて苦手なのだ。

 その点、瀬戸内の海は狭くて心地よい。
 守られている気が、すごくする。

 そよそよと海から吹く風に当たりながら、あぁこれが瀬戸内の海だと噛みしめた。
 今もまだその風が鼻先辺りに残っているような気がする。
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by fastfoward.koga | 2007-09-10 22:29 | 旅行けば