言霊の幸わう国

高校球児3年の夏

 ひとつひとつの感情を、量り間違えないように過ごした1週間。
 今ある感情と事実を、丁寧に扱ってきたつもりだ。

 ティッシュペーパー1枚分の涙を、数回流した。
 泣いてしまえば、という思いの反面、泣いて感情をごまかしたくないという思いがあり、後者が勝って今に至る。
 まあ、要は淡々としているのだ。

 そうやって自分の胸に耳を当てるようにして、今の思いを表現するならばとずっと考えていた。
 まだ思いが固まっていないから無理かなと思いつつも、行き当たることができた。

 今のわたしは高校球児のようだ。
 それも3年生の夏。
 精一杯やって甲子園に出場できた。
 でも甲子園で思うような結果が残せず、勝利した相手校の姿が遠くに見えている。
 足元には甲子園の土。
 しゃがんで袋に詰めることは簡単だ。
 でも、自分はそれはしない。
 自分の望んだものを、勝敗とは別にして、手にしていないのに甲子園の土を自分は持って変えることはできない。
 そう考えている。

 もう自分はこの甲子園の土を踏むことは、この先2度とないだろう。
 もう少しここにいられたら。
 でもそれができないことを、自分はよくわかっている。
 これまでやってきたことは、ここまでのことだ。
 ここを出たら、野球とは違うなにかを求める生活が始まる。

 立ち止まっても、振り返っても、いられない。
 次の道がある限り、また歩いてゆこう。
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by fastfoward.koga | 2007-10-25 23:08 | 一日一言