言霊の幸わう国

彩られる絶望

 今、わたしの携帯の待ち受け画面は、岡本太郎の言葉。
 先日、トーキョーにある岡本太郎記念館で撮った写メだ。

「私は絶望を、新しい色で塗り、きりひらいて行く。
絶望を彩る事、それが芸術だ。」


 赤い部屋でこの言葉を見て、じーっと立ち尽くした。
 圧倒されて、目に溜まった涙が落ちそうで、ごまかしながら目の前にあるイスに腰かけた。
 同じくらいに中に入った女の人が部屋を出るのを待ち、もう少しもう少し、とその場所で過ごした。

 何度もくり返し、読んだ。
 小さな声を出しても読んだ。

 日常目にしない「絶望」という言葉を前に、そうかわたしは絶望しているのだと思った。
 でも、その絶望を新しい色で塗り替える、と岡本太郎は言うのだ。
 赤い部屋では、どんな色にも塗り替えられるような気がした。
 そして、きりひらいていけるのだと、心の中にぽっと火が灯るように力強い思いが生まれた。

 わたしが彩ったものが芸術になるとは思えないけれど、自分の奥底から出たものはやっぱり重い。
 重いだけあって、そう簡単に消えてなくならない。
 そういうものが積み重なって、初めて手にできる思いがあるのかなと思う。

 携帯を開くたびにまぶしいほどの赤が目に飛び込んで、自分が彩るものはこんなふうに生き生きとした色であればいいのに、と。
 今はまだ願うばかり。
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by fastfoward.koga | 2007-11-29 21:43 | 一日一言