言霊の幸わう国

そこに扉がある限り

 今日は健康診断で、採血をした。

 いつものことなのだけれど、わたしは注射針から目をそらすことができない。
 針が腕に刺さり、抜かれるまでをじっと首を捻って見ている。
 自分の見ていないところで、どんなことが起こっているのかを見逃したくないのだ。

 どんなことをするとどんな痛みを感じるのか。
 心のそれも体のそれも、ちゃんと知っておかなければと、思う。

 そのせいで、もしかしたらいらぬ痛みを感じたり、いらぬ傷を作ってきたのかもしれない。
 癒えてさえいれば、今さらどうこう言うことではないのだけれど。
 ふと、考えたりするのだ。
 痛みを感じている最中は、このやり方がほんとうにいいのだろうかと。

 目の前にある扉が開いているとわかったら、ドアノブに手をかけずにはいられない。
 入ってすぐが崖っぷちだったとしても、行ったことのないところなら行ってしまえとギリギリのところで自分を前に押し出してしまう。
 生傷が絶えないとまでは言わないが、もうちょっとどうにかできんのかと思う日もある。

 でもやっぱり、開けられる扉はどーんと開けて、足を前に進めてしまうんだろうな。
 そして片足突っ込んでから、やってもたー、と思うのだ。

 いつかの逡巡が一向にプラスに作用しないのなら、せめて痛みや傷に怖気づかない自分でありたい。
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by fastfoward.koga | 2007-11-30 19:54 | 一日一言 | Comments(0)