言霊の幸わう国

キイロアフレル

 先週、みやこ音楽祭に行ったとき、久しぶりに東大路通りを歩いた。
 丸太町通りを曲がり、東大路通りに出てしばらく歩くと、歩道は1面黄色く輝いていた。
 見上げると銀杏の木。
 ふとひとり笑みがこぼれるほど、上も下も黄色い葉。
 その色の強さに圧倒された。

 そんなきもちで歩いてゆくと、風がひゅんと通り過ぎ木々を揺らした。
 銀杏の葉が思わず手を伸ばして掴みたくなるくらい、たくさん降ってきた。
 掃き集められていないそのものぐささに、誰とはわからず小さく感謝した。

 通勤途中の道にも、銀杏の木がある。
 銀杏の葉が黄色く色づき始めてからは、できるだけ銀杏の木が多い通りを選んだ。
 黄色の葉が、力をくれるような気がしていたからだ。

 しっかりした幹の中心からぐーっ入ったエネルギーが、秋に届いて葉を色づかせる。
 木を見ていると、気を感じる。
 こんなにも銀杏の木を見ることは今までになく、そうか今までこれが毎年くり返されてきて、これからも続いてゆくのだなと思った。

 おとついの夜、会社から駅に向かう坂道で、急に銀杏の木の幹に触れたくなった。
 力の源である幹。
 我慢できず、すぐそばまで来た木に右手を添えた。
 ざらっとした力強さが掌から伝わってきた。
 ほんの少し、手を動かして撫でてみた。
 ついつい人目が気になって、そこで後ろを振り返った。
 さっき交差点ですれ違ったサラリーマンが見ていないかと、思ったのだ。
 でも後ろには誰もいなくて、わたしは心置きなく次の木の幹に触れた。

 紅葉の赤い妖しさよりも、今年は銀杏の黄色がしっくり胸になじむ。
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by fastfoward.koga | 2007-12-08 20:59 | 一日一言