言霊の幸わう国

バーを跨ぐ

 今年の年末は、念入りに大そうじをした。
 ここ数年はちょっと手を抜くことが多く、網戸や窓を磨かなかったり、床のワックスがけを省いたりしていた。
 でも今年はそういう手抜きがどうしても自分で許せず、根を上げないように日を分けておこなった。

 ただ黙々と手を動かした。
 考えごとをしているような、していないような。
 目の前の汚れが落とすことに意識が集中していた。

 一昨日、近所の新築の家が並んで建っているところを歩いた。
 どの家も新年を迎えるために大急ぎで引越しした様子が見てすぐにわかるくらい、玄関先にもベランダにもまだ生活観がなかった。
 ほの明るい外観を見ながら、ふと自分が同じ体験をしたときのことを思い出した。

 手で運べるものを、少しずつ休日や夜に両親と兄とで運んでいったがらんとした部屋。
 隅のほうに見慣れた荷物を並べ、見慣れぬ部屋と一体化した目の前の映像にむずむずした。
 そういうきもちが一気に蘇り、年が新しくなるということはそれに似ているのだと思った。

 新年を迎えるにあたって、人それぞれのやり方がある。
 たった1日の跨ぎを重要視しない人もいるだろうし、格別なものとして捉える人もいるだろう。
 わたしは1日で世界ががらっと変わるとは思っていないけれど、いいきもちで迎えたいなとは思う。

 今朝出勤する途中、いろいろあったけど今年1年、自分はよくやったと自分を褒めた。
 冷凍庫みたいな空気に包まれている道を歩きながら。
 ほんとうは60点くらいの点数しかつけられないのだけれど、そう思えるようになったことはよしとすることにした。
 これで、わたしの年末仕事は終わりかな。



 今年もここでいろんな人との出会いがありました。
 読んでいただいたみなさん、1年間ありがとうございました。
 また来年も、よろしければおつきあいください。

 それでは、よいお年を。
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by fastfoward.koga | 2007-12-31 13:55 | 一日一言