言霊の幸わう国

雨女がゆく ~仁万

 早朝、バスは出雲市駅へ到着した。
 外はしっかりと雨が降っていた。けれど、想像していたよりは暖かかった。

 8時前の電車まで、顔を洗ったり、朝食を食べたりしながら時間を過ごし、まずは仁万駅へ向かった。
 目的は、仁摩サンド・ミュージアム砂暦という巨大な砂時計だ。

 開館間もない美術館は静かで、砂の落ちる音がさらさらと聴こえるようだった。
 何度も何度も頭上にある砂暦を見上げ、無心になった。

 砂はなんとすごいのか。
 塊だと大きくのしかかり人を潰してしまうこともできる怖さを持っているくせに、ひと粒ひと粒は小さくそれだけでは存在すらも掴めない。
 どっしりと腰を落ち着けているようで、位置を少し斜めにされれば、逆らうことなくすすすと静かに落ちてゆく。
 強固なのか、儚いのか。強情なのか、従順なのか。

 でもその姿が、しなやかに見えた。
 なれないことは承知で、あんなふうに、と願った。
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by fastfoward.koga | 2008-01-20 13:12 | 旅行けば