言霊の幸わう国

春ためらい

 春のような暖かい1日。
 駅へ着いてから、黒っぽい洋服を着ている自分が野暮ったく思えた。
 もっと軽やかな色の洋服で来ればよかったなと、電車の中で黒よりも薄い色の洋服を着た人を見ながらうっすらと後悔した。

 ニュースで、ブログで、会話の中で、春という言葉を耳にしたり、目にしたりする機会は確かに多くなっていた。
 でも自分には実感はわかず、まだまだ寒い日が舞い戻ってくるんじゃないかとここ数日訝しんでいた。

 春だとぬか喜びして、のうのうと戻ってくる寒さに腹を立てるのが嫌だというわけではない。
 ただ、春を迎える準備が整っていないのだ。

 まだ冬を満喫できていない。そんな気がする。
 そのせいなのか、心のどこかで冬にしがみついている。
 いや、先へと進むことをためらっていると言うほうが正しいような。

 行きたかった冬旅に行き損ねたからなのか。
 マフラーに顔を埋め足りないのか。
 寒さが身に沁みてないのか。 
 
 春物に目も心も奪われるわりには、足はすくんでいる。
 厚くて重いコートから、薄手のコートに着替えて歩く自分がまったく想像できない。
 いったい、どうしちまったんだ?
[PR]
by fastfoward.koga | 2008-03-11 23:16 | 一日一言