言霊の幸わう国

人恋しいなら素直に甘える

 今日は、フロアの電気を全部消して帰って来た。
 
 20時の谷町4丁目。
 時間も位置もビミョーで飲みにも行けず、ぽっかり空いた胸の空白を抱えたまま、いつもの道を帰るしか術はなかった。

 同僚とひとつめの信号で別れ、カツカツと靴音を鳴らしながら、次の信号までに携帯を取り出していた。
 昨日の夜見た占いには、25日の欄にこう書かれていた。

「人恋しいなら素直に甘える」

 昨日は、「ならね、なら」と部屋でひとり声に出して言っていた。
 今日、人恋しくなるとは。
 予想だにせず。
 でも、迷わず電話をした。
 が、繋がったのは留守電。
 これは予想通り。
 やっぱりな、とまた靴音を鳴らして駅へ向かった。

 占いは信じていない、と言ったことがある。
 が、しかし。
 あとで散々おみくじの内容を気にしていることをブログに書いておいて、それはないよなと思った。
 なーって。
 と、そんな話をしたかっただけなのだけれど。

 電車に乗ってからも、しばらくは迷っていた。
 どこか行くところはないかと、考えあぐねていた。
 が、シートに落ち着いたら、これでいいかと思った。

 手には出勤前に立ち寄った本屋で購入した、堀江敏幸の「めぐらし屋」。
 最初の1ページから確かな感触を感じながら、どんどん読み進めていった。
 気づくときもちはすっかり穏やかになり、それはまるで自分が犬になって飼い主に優しく優しく撫でられているようだと思った。
 雑種だけれど、お前は毛並みがいいなあ、とかなんとか言われながら、大きな手で何度も撫でてもらっているような、そんな感じ。
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by fastfoward.koga | 2008-04-25 23:46 | 一日一言 | Comments(0)