言霊の幸わう国

夢の中の彼女

 今朝、目が覚める瞬間まで見ていた夢に、大学時代の友人が出てきた。
 年齢的には違和感がなく、設定は今だったように思う。
 でももう7、8年は話もしていない彼女が、なぜ現れたのか不思議で仕方がない。

 わたしが通っていた大学は有名なお嬢様学校で、選択を間違えたなと今ならわかる。
 校風も合わなければ、友人関係もしっくりこず、現に今大学時代の友人で連絡を取り合っている人は誰もいない。
 何年前だったか、プツンと糸が切れたように、それまで細々と繋いでいた年賀状のやりとりさえうっとおしくなり、やめてしまったのだ。

 夢に出てきた彼女は、それでも数年は年賀状をくれていたように思う。
 大学を卒業したあと2年ほどで結婚し、相手の都合で仕事を辞め、兵庫県の少し奥まったところへと引っ越していた。
 披露宴に呼ばれ、何度もおめでとうと言いながら、もう会うことはないのかなと思っていた。

 わたしでなくても、ともだちは誰か他でもよかったんじゃないか。
 もう懐かしんでくれなくてもいいのに。
 年賀状が来るたびに、そう心の中で思っていた。
 返事を返さないわたしの無言。
 その思いを伝えられるなら、彼女を少しくらいなら傷つけても仕方ないと思ったこともあった。
 
 夢を見たことで、久しぶりに彼女のことをたくさん思い出した。
 誕生日に贈ったカードのこと、家族の話をしていた彼女の表情、華奢な体に大きな目、少し人目を気にするような仕草、特徴のある文字。
 深い深い記憶の湖の中から、静かに底を手探りしていたら、意外に思い出せた。

 そうだ、こんなことがあった。
 2回生か3回生か、専攻が別れ、彼女と週に何度かしか一緒になることのない授業をさぼったとき。
 図書館に行こうとするわたしに、小さく折り畳んだ手紙を渡された。
 いつの間に書いたのかと、開いたあとに思った覚えがある。
 そんなに長い文章が書かれてはいなかったはずだけれど、確か、あぁ図書館に行ってしまうのですね、という一文だけ覚えている。
 話したいことがあったのだろうかと、読んで気にはなりながらも、わたしは1度歩き出した足を止めることもできず結局そのまま授業をさぼった。
 そのときすでに、わたしは自分が彼女にとって必要のない人間なんじゃないかと思っていた。

 なぜだろう。
 なんだか急に、あの日さぼらなければよかったと後悔した。
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by fastfoward.koga | 2008-05-18 20:23 | 一日一言 | Comments(2)
Commented by cool-october2007 at 2008-05-19 22:48
だったら手紙を書いてみたらどうですか?
ぜひに (^^)
Commented by fastfoward.koga at 2008-05-22 13:59
coolさん、こんにちは。
お返事がとても遅くなって、すみません。

戻りたいわけではないんですよね。
ただあのころ、人との接し方がわからなかったことに今引っかかっていることを、なぜなのかは考えたいなと思います。