言霊の幸わう国

七癖

 わたしは自意識過剰なので、たいていの人からの好意は気がつく。
 たまに勘違いするくらいだ。
 なので、単なる人当たりのいい人だと思っていた人から、飲みに行こうとか言われて誘われるとビクッとする。
 ドキッとではなくビクッと。

 今、そういう人がいる。
 たまに東京から来る会社関係の人で、それらしい誘いのメールが来たときは驚いた。
 それから、いったい彼はわたしのどこを気に入ったのかが、気になった。

 いつも言ってからあまり意味のないセリフだと思うのだけれど、ついすきな人との別れ際、言ってしまう。
「これでもわたし、もてるねんで」と。
 そうすると相手は、「知ってる」とか「わかってる」とか、「そうだね」と言う。
 だったら振るなよ、でも振るんだろう、と心の中で呟いて、そのやりとりを不毛だとしみじみ感じるのだ。

 ビクッとしたあと、そのやりとりを必ず思い出す。
 そして、すきじゃない人に好かれても仕方ないねん、とぶつくさと声に出してみる。
 なんせドキッとじゃなく、ビクッとなのだから。

 今朝、気づくと右手の人差し指に切り傷がふたつできていた。
 ひとつめは見逃すつもりでいたけれど、ふたつめの痛みは知らんぷりできなくなって、会社に着いてからばんそうこをくるりと巻いた。
 直接傷に触れなくなったせいか、巻いたとたんに痛みがふっと消えたように感じなくなった。

 最近見えない傷に意識を持っていかれていたから、目に見える傷を久しぶりに味わった。
 とそこで気づく。
 なんにも傷ついていないのに、今傷口を広げないように、早く治さなくてはと思ったなと。

 ・・・この癖こそ、直さねば。 
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by fastfoward.koga | 2008-06-10 22:54 | 一日一言