言霊の幸わう国

くるくる回る  嗅覚の鋭さに五感がやられる

 高岡に後ろ髪をひかれたまま、大人は諦めがよくなくては、とかなんとか思いながら、富山行きの電車に乗った。
 社内は夕方とあって学生が多く、窓の外から射し込むオレンジ色の強い光に旅の感覚を強くしていた。

 富山駅に着いてからは、その足でまっすぐホテルへと向かった。
 途中、コンビニの場所や、せっかくだからおいしい魚が食べたいなと思っていたので、道すがらいくつかめぼしいお店を物色して歩いた。

 ホテルに着くととりあえず背中の荷物を下ろし、シャワーを浴びてさっぱりしてから缶ビールを開けた。
 梅雨が明けていないと言えども暑さは真夏に近づいていて、半日も歩いていないのに体が少し重く感じた。
 外の陽はまだ高い。
 でもあまりのんびりしすぎると外に出るのが億劫になるので、よしっと勢いをつけてホテルを出た。

 一旦駅へ戻り、駅前のコンビニで飲み物だけを調達したあと、目をつけていた一軒のお店に立ち寄った。
 ひとりなんですけど、いいですか? と言うと、どうぞとカウンターの席に案内された。
 座ってすぐにビールを注文し、料理はメニューを見ながら、お薦めはなんですか? 今日のお刺身はなんですか? とご主人に聞きながら選んだ。

 あいなめの刺身に岩カキを口にし、小さくうまーいとつぶやき、おいしーと声を上げながら平らげ、調子よくビールを2杯飲んだ。
 ご主人は大阪で修行していたことがあるそうで、そのころの話や料理やお店に置いているお酒のことなどをいろいろ伺っていると、だんだん居心地がよくなってきた。
 ご主人には料理もお酒にもこだわりがあるようで、食べたり飲んだりしているとそれがよくわかるような気がした。
 お酒を注文するたびに質問をしていると、ラベルのついていない(市販されていない)日本酒や、長々飲んでいるのでつまみにどうですかとサービスで鱧やバイ貝の煮物を出してもらった。

 結局4時間近く飲み、おいしかったですーと言い残していい気分で店を出た。
 旅先でどうしてこんなに嗅覚が利くのか。我ながら不思議~、なんて思いながら、軽くぶれる体をまっすぐに保つように心がけ、ホテルへ帰った。

 部屋に戻ると、安心したせいか酔いが襲ってきた。 
 頭がぐるぐる回り、体を起こしているのも耐え難く、お腹はいっぱいなのに喉が渇いて仕方がなかった。
 そうやって、あー飲みすぎたなーとベッドでうだうだしているうちに日付が変わった。
 誕生日になったなと思ったことは覚えているけれど、そのうちコテンと眠りに落ちた。
 あとはそうりゃあもう、起きると二日酔いだった。

 最後の1合が効いた。
 と、思った。
 でもほんとうは、それくらいで酔うわけはない。

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by fastfoward.koga | 2008-07-20 14:21 | 旅行けば