言霊の幸わう国

繋ぐ手

 昔からのことだけれど、ときどき人が嫌になったり、邪魔くさくなることがある。
 でもほんとうにひとりきりになってしまうのも嫌で、人の気配のするところでひとりでいたい、とわがままなことを思い、不毛な時間を過ごしたりする。

 夏の初めごろから、その波がやって来ていた。
 でもこの数週間、約束をして人と会い、その人と一緒に過ごす時間を作った。

 わたしは、自分の曖昧な輪郭の考えや思いを話して明確にすることが多い。
 言葉を発することで、形作る。
 そうわかっていながら、ふっと心のシャッターを閉めたくなる。
 いくつになっても、こどもみたいに薄暗い小さな場所に閉じこもって拗ねるのだ。

 考えすぎて、疲れる。
 誰も求めてないところまで思考の足を伸ばして、始まってもいないときにすでにぐったりしている。
 ばかみたいなのだけれど。

 会って、話して、目を見て。
 この数週間で会った人には、誰からもみな力をもらった。
 その人が体の奥底で絶やすことなく灯し続けている力。
 それを明確な言葉としてもらったものもあれば、一緒に過ごした時間の濃密さの中から感じたものもある。
 それはとても大事なことなのに、わたしはすぐに忘れてしまう。

 自分が人である限り、人と関わりあって、繋がっていなければ生きてはゆけない。
 相手も人なのだ。

 ひとりで考えすぎてしまうけれど、もっと相手を信頼したいと思う。
 もういいと、相手の手を離すことほど簡単なことはない。
 今は、反省しやがれ、反省を! と自分を叱り付けている。
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by fastfoward.koga | 2008-09-10 23:02 | 一日一言