言霊の幸わう国

カテゴリ:本の虫( 153 )

4月の巻

16 宮本輝    朝の歓び・講談社文庫(下) ※

17 宮本輝    朝の歓び・講談社文庫(上) ※

18 宮本輝    焚火の終わり(上)・文春文庫
19 宮本輝    焚火の終わり(下)・文春文庫

20 吉田篤弘   針が飛ぶ・新潮社 ※
21 三浦しをん  君はポラリス・新潮文庫 ※

※印は、読み返した本です。

相変わらず、宮本輝を貪るように読んでいます。
一昨日は友人と飲んだあと、そういえば宮本輝作品を読み終ってたなと次の宮本輝作品を探しに行きましたが、大きな書店にも関わらず品揃えが少なく、心の中で小さく舌打ち。
映像化されてる本ばっかり売ってんじゃねーよ、がんばれよ本屋! と毒づきながらも、渋谷のブックファーストが閉店してしまう時代です。22時まで開いているだけでもありがたいねえと、1時間ほど書店をうろうろしてなんとか1冊文庫本を手にして帰りました。

閑話休題。

その宮本輝熱をクールダウンすべく、吉田篤弘の『針がとぶ』を読みました。
この作品は連作短編ですが、定期的に読み返しているにも関わらずそのことを忘れて、いつもトップバッターのタイトル作品を楽しみに表紙を開きます。

この作品は、なぜか波長が合うと感じていた叔母を亡くした若き女性が主人公です。
わたしはこれを読み返す度に、伯母になりたかったなあと思います。
小説の世界では、両親という直系家族よりも曽祖父や叔父や叔父や叔母が、そのほどよい距離感のほうが表現しやすいのか、よく登場します。
この作品に登場する伯母は、生きている時間の中に独自のこだわりを散らばらせ生涯を終えるのですが、なぜでしょう小説に登場する伯母という人はたいてい独り者なのです。
そんな伯母像についつい自分を重ね合わせてしまうのか、あぁわたしも伯母になりたかったと思うのです(私の場合は、なりえても叔母ですが)。

子育てというものを知らぬわたしは、世界のいろんなものを吸収するこどもを、時に驚異に感じます。
自分はたいした人間でもないのに、その子になにかしらの影響を及ぼしてしまうことを(正確には、及ぼしてしまうこと、かもしれません)、驚異に感じるのです。
子を育てる覚悟などありません。でも、その子が自分の動きや言葉を真似したり、会話が成立することが、わたしのなにかが届いているのだと思うと小さな感動が胸に生まれます。
ましてや、親でもないのに友人の子が、自分が誕生日にあげた本を楽しそうに読んでくれることや、わたしのために誕生日プレゼントを選んでくれるなんてことがあれば、それはもう大げさですが己の存在価値を見出すこともできます。
わたしにとって、伯母という存在はそれに近いのかもしれません。

そして、『針が飛ぶ』は、そんなわたしの伯母像への憧れを満たしてくれる一方で、どこか自分をもてあました主人公にも自分を投影しているような気がします。
おそらく、この作品はこの先も、ところどころを忘れながら何度も読み返してゆくのでしょう。
あの作品の世界は、いつでもわたしに安息の場所を提供してくれます。


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by fastfoward.koga | 2017-05-05 22:32 | 本の虫 | Comments(0)

1月~3月の巻

1 野宮真貴   赤い口紅があればいい・幻冬舎

2 酒井順子   女子と鉄道・光文社 ※

3 白石昌則   生協の白石さん・講談社 ※

4 宮本輝    三十光年の星たち(上)・新潮文庫

5 宮本輝    三十光年の星たち(下)・新潮文庫

6 宮本輝    水のかたち(上)・集英社文庫

7 宮部みゆき  楽園(上)・文春文庫 ※

8 宮部みゆき  楽園(下)・文春文庫 ※

9 宮本輝    水のかたち(下)・集英社文庫

10 梨木香歩   からくりからくさ・新潮文庫 ※

11 村上春樹   騎士団長殺し(上)・新潮社

12 梨木香歩   沼地のある森を抜けて・新潮文庫 ※

13 村上春樹   騎士団長殺し(下)・新潮社

14 宮本輝    花の降る午後・講談社文庫 ※

15 北杜夫    ぼくのおじさん・新潮文庫

※印は読み返した本です。


 この3ヶ月は、本を読みたくて読みたくて仕方ないのに頭と身体がついていかない、そんなもどかしい時期でした。
 村上春樹の新刊は発売日翌日に購入していましたが、心も身体も疲労がピークで読み進められず。
 仕事のストレスでなにもかもが嫌になり、3月頭にただ本を読むための旅に出ました。
 旅といっても金曜の残業終わりに神戸へ向かっただけですが、海の見えるベランダのある部屋で2日間、『騎士団長殺し』を読みました。
 長らく旅らしい旅をしていませんが、いつもと違う場所で本を読むことが自分に潤いをもたらすことだったことを思い出しました。
 日々の生活の渇きを心底実感したところから旅は始まり、夜が明けてゆく様子を眺めたり、海風を受けたりしているうちに頭に入ってこなかった文章がすうっと入り込むようになりました。
 入り込んだら、足先から頭のてっぺんまで体中が水で満たされた気がしました。

 どちらかというと、今までのわたしの旅は移動することが第一目的になっていることが多かったので、訪れた場所でそこにある空気を楽しむことをすっかり忘れていました。
 あの日過ごした時間やそのときの記憶は、そのあと何度も思い出しています。
 それを勇気と呼ぶのだと思います。思い出すことで勇気が湧いてきます。

 ただ本が読みたくて『騎士団長殺し』の上下巻をカバンに詰めたその重みも、きっと忘れないでしょう。
 結局上巻の途中までしか読めず、下巻の出番はありませんでしたが。


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by fastfoward.koga | 2017-04-23 23:10 | 本の虫 | Comments(0)

4月~12月の巻(2016年)

1 伊坂幸太郎  ガソリン生活・朝日文庫

2 江國香織   ちょうちんそで・新潮文庫

3 山崎ナオコーラ

        ネンレイズム/開かれた食器棚・河出書房新社

4 万城目学   かのこちゃんとマドレーヌ夫人・角川文庫 ※

5 西靖     聞き手・西靖、道なき道をおもしろく・140B

6 赤染晶子   乙女の密告・新潮文庫 ※

7 三浦しをん  私が語りはじめた彼は・新潮文庫 ※

8 堀江敏幸   なずな・集英社 ※

9 松家仁之   火山のふもとで・講談社 ※

10 小泉今日子  黄色いマンション 黒い猫・スイッチ・パブリッシング 

11 山崎ナオコーラ

浮世でランチ・河出文庫 ※

12 恩田陸    夜のピクニック・新潮文庫 ※

13 井上荒野   ベーコン・集英社文庫

14 村上龍    空港にて・文春文庫 ※

15 松家仁之   沈むフランシス・新潮社 ※

16 松家仁之   優雅なのかどうか、わからない・マガジンハウス ※

17 宮本輝    にぎやかな天地(上)・講談社文庫 ※

18 J.D.サリンジャー/村上春樹訳

        フラニーとズーイー・新潮社文庫

19 宮本輝    にぎやかな天地(下)・講談社文庫 ※

20 三浦しをん  小暮荘物語・祥伝社文庫
21 山崎ナオコーラ
        美しい距離・文藝春秋
22 石持浅海   Rのつく月には気をつけよう・祥伝社 ※
23 伊坂幸太郎  アヒルと鴨のコインロッカー・創元推理文庫 ※
24 村田紗耶香  コンビニ人間・文藝春秋 
25 三浦しをん  神去なあなあ夜話・徳間文庫
26 伊坂幸太郎  SOSの猿・中公文庫 ※
27 伊坂幸太郎  死神の浮力・文春文庫
28 川上未映子  愛の夢とか・講談社文庫
29 綿矢りさ   勝手にふるえてろ・文春文庫 ※
30 絲山秋子   沖で待つ・文藝春秋 ※
31 川上弘美   天頂より少し下って・小学館文庫
32 絲山秋子   ラジ&ピース・講談社文庫 ※
33 くるり+宇野維正 
        くるりのこと・新潮社
34 津村記久子 ポストライムの舟・講談社 ※
35 井上荒野  ほろびぬ姫・新潮文庫
36 山田詠美  賢者の愛・中央公論社
37 西加奈子  通天閣・筑摩書房 ※
38 西川美和  きのうの神さま・ポプラ文庫 ※
39 西川美和  永い言い訳・文藝春秋 ※
40 絲山秋子  袋小路の男・講談社文庫 ※ 
41 朝井リョウ 何者・新潮社 ※ 
42 浅井リョウ 何様・新潮社
43 西川美和  ゆれる・ポプラ社 ※
44 三浦しをん 光・集英社文庫 ※
45 東直子   とりつくしま・筑摩書房
46 酒井順子  その人、独身?・講談社 ※
47 宮本輝   草花たちの静かな誓い・集英社
48 綿矢りさ  手のひらの京・新潮
49 ベルンハルト・シュリンク 松永美穂訳
        朗読者・新潮文庫 ※

※印は読み返した本です。


 ご無沙汰しています。
 ブログを書かない生活が日常になってしまっていますが、本だけは読み続けています。
 せめて本のことくらい、書き記しておこうと思います。

 2016年は、自分が上質だと思えるものを読もうというきもちで1冊1冊を選びました。
 あとは、映像化される作品を読んだり、読み返したり。

 9ヶ月間の記録を並べてみて、どんな物語だったか思い出せないものもあります。
 加齢でしょうか。物覚えが悪くて。

 そんな中でも印象に残っている作品は。
 さすがの小泉今日子『黄色いマンション 黒い猫』、やっぱりの山崎ナオコーラの『美しい距離』、そして大御所宮本輝の『草花たちの静かな誓い』です。
 必ず読み返すときがくるでしょう。

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by fastfoward.koga | 2017-04-23 21:42 | 本の虫 | Comments(0)

3月の巻

1 堀江敏幸   その姿の消し方・新潮社
2 本谷有希子  異類婚姻譚・講談社
3 岸本佐知子・三浦しをん、吉田篤弘、吉田浩美
        『罪と罰』を読まない・文藝春秋
4 小川洋子   ことり・朝日文庫
5 江國香織   はだかんぼうたち・角川文庫


 着々と読んでいます。でもペースは意外に遅いな、と毎月こうやって書いて振り返っています。
 3月は、どちらかというと静かな本、を読みました。
 数年ぶりに手にとった江國香織は、読むタイミングを間違えました。
 春先のそわそわに読んで、読み始めた翌日会社をずる休み。
 そわそわがざわざわになって、足元を掬われました。
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by fastfoward.koga | 2016-04-11 22:08 | 本の虫 | Comments(0)

2月の巻

1 津村記久子  この世にたやすい仕事はない・日本経済新聞出版社
2 カズオ・イシグロ・土屋政雄訳
         わたしを離さないで・早川書房
3 青山七恵   わたしの彼氏・講談社文庫
4 内田百閒   百鬼園随想・旺文社文庫


 2月のあたまに、数日入院しました。
 入院は人生初の経験でしたが、重い症状が出ているわけでもなく、かつ数時間の検査のためのものだったため、どうやって時間をつぶそうかと考え、津村記久子とカズオ・イシグロの2冊を前日に購入して持っていきました。
 予想以上に時間があり、検査のあとの頭痛がひどくなければ3日目は手持ち無沙汰になるほどで、正味48時間で2冊きっちり読み終わりました。
『わたしを離さないで』は結構ボリュウムのある作品で、するする読める気はしてませんでしたが、ドラマで冒頭部分を見ていたせいでしょうか。複雑な設定もなんなくイメージでき、最後の最後まで集中力を途切れさせず読むことができました。
 あー、読んだ! と思う3日間でした。

 最後に、青山七恵の『わたしの彼氏』。
 半分くらいまでいらっ、もやっとして読んでいましたが、途中から主人公が塩顔で話題の、坂口健太郎ならいいなと思い始めたらおもしろくなりました。
 最近なんでもかんでも映像化されるのでつまらないと思っているのですが、これだけは別で。
 映像化するなら、主人公は坂口健太郎でお願いしたい。
 最近気になるんです、彼。ふっふっふ。
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by fastfoward.koga | 2016-03-13 21:44 | 本の虫 | Comments(0)

1月の巻

1 森村誠一   駅・角川文庫
2 山口果林   安部公房とわたし・講談社
3 小川洋子   密やかな結晶・講談社文庫 ※
4 松浦弥太郎  僕の好きな男のタイプ・講談社
5 岡村靖幸   結婚への道・マガジンハウス
6 堀江敏幸・角田光代
         私的読食録・プレジデント社


 森村誠一の『駅』は、年末年始に実家に帰ったときに、目に付いたものを手に取りました。
 山口果林の『安部公房とわたし』は、表紙の若かりしころの女優の写真に惹かれ、手に取りました。著者でもあるその女優が綴る文章を読みながら、何度かブックカバーを外して彼女の写真を見ました。たった1冊しか読んでいなかった作家と、そこに寄り添う、体内から溢れ出さんばかりに光を発する著者の人生は興味深かったです。『砂の女』は読むと息が詰まるのですが、10数年ぶりに読み返してみたいと思います。

 松浦弥太郎の『僕の好きな男のタイプ』と、岡村靖幸の『結婚への道』は一緒に購入しました。
 前者の表紙には「58通りのパートナー選び」、後者はタイトルがタイトル。わたしは迷える子羊に見えるんかいな、いや、それがどやさどやさと、ドヤ顔でレジに持っていきました。
 しかしながら、前者は読んでいて、たくさんの「いい男」について書かれていましたが、こういう人がいいと思うより、こんな人間になれるかと途中から視点が変わって読んでいることに気づきました。
 後者は、ミュージシャン岡村ちゃんが「結婚」をテーマに対談したものをまとめたものですが、たくさんの人にいろんなことを聞いて、ある意味聞きすぎていて、読んでいるわたしもわからなくなりました。
 この2冊が本棚に並んでいる姿、これがわたしの姿を象徴しているのかもしれません。

 そして最後に堀江敏幸・角田光代の『私的読食録』は、雑誌『dancyu』の連載の書籍化です。
 雑誌の特集に合わせた食にまつわる作品が紹介されるこの本では、2人の作家が読むことでしか味わえないことがあることを教えてくれます。
 昨年末に読んだ『小泉今日子書評集』同様、読み返したい本、読んでみたい本がいくつもありました。
 どちらもあえて付箋をつけたりはしていませんが、読むものに困ったときにはぱらぱらとめくり、ヒントにしていくつもりです。

 このとりとめのない本選び。これこそがまさに、わたしの読書録だわという妙な自信があります。
 安心してください。今年は読みますよ。
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by fastfoward.koga | 2016-02-13 23:24 | 本の虫 | Comments(0)

8月~12月の巻

1 北村薫    八月の六日間・角川文庫 ※
2 白岩玄    未婚30・幻冬舎 ※                           
3 内田百閒   第三阿房列車・新潮文庫
4 山崎ナオコーラ
         昼田とハッコウ・講談社
5 丸谷才一   女ざかり・文春文庫
6 宮本輝    愉楽の園・文春文庫 ※
7 久世光彦   向田邦子との二十年・ちくま文庫
8 ダ・ヴィンチ編集部編
         秘密。私と私のあいだの十二話・メディアファクトリー ※
9 宮本輝    ここに地終わり 海始まる(上)・講談社文庫 ※
10 宮本輝    ここに地終わり 海始まる(下)・講談社文庫 ※
11 宮本輝編   わかれの船・光文社文庫 ※
12 向田邦子   隣りの女・文春文庫 ※
13 山田ズーニー おとなの小論文教室。河出書房出版 ※
14 小泉今日子書評集・中央公論新社

※印は読み返した本です。


 さて、2015年の後半戦。
 年初め読んでいた『窯変源氏物語』は、「行幸(みゆき)」あたりで光源氏の身勝手さにお腹いっぱいになってしまい、完全に止まってしまいました。
 まあ、このあたりで飽きてしまうのはいつものことなのですが。
 半年以上枕もとに置かれた第7巻。読む気になるにはまだ時間がかかりそうです。

 昨年はもともと冊数にはこだわらないつもりでいましたが、1年で読んだのはたった38冊でした。
 おそらくこの20年で一番少ないです。
 以前も書きましたが、昨年ほど書店がおもしろくなく、書店に行っても食指の動かなかったことはありませんでした。
 そのせいで、まだ実家の自分の本棚のほうがましだな、と以前読んだものを読み返してばかりいました。
 年末にその憂鬱なきもちがすうっと解消される書店に辿りつき、来年はせめて50冊は読むようにしたいと思いました。

 2016年になり、思ったとおり、たまに早く帰った夜や休みの日にはテレビを消して本を開いています。

 さあ、これを書いたら、あれを読もう。
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by fastfoward.koga | 2016-01-24 20:48 | 本の虫 | Comments(0)

1月~7月の巻

1 鷺沢萠    帰れぬ人びと・文藝春秋 ※
2 本多孝好   真夜中の五分前 side-A・新潮文庫 ※
3 本多孝好   真夜中の五分前 side-B・新潮文庫 ※
4 橋本治    窯変源氏物語(3)・中公文庫 ※
5 酒井順子   オリーブの罠・講談社現代新書
6 夏目漱石   草枕・新潮文庫 ※
7 丸谷才一   輝く日の宮・講談社文庫
8 橋本治    窯変源氏物語(4)・中公文庫 ※
9 彩瀬まる   桜の下で待っている・実業之日本社
10 山崎ナオコーラ
         ボーイミーツガールの極端なもの・イースト・プレス
11 湯本香樹実  夜の木の下で・新潮社
12 橋本治    窯変源氏物語(5)・中公文庫 ※
13 夏目漱石   行人・新潮社 ※
14 橋本治    窯変源氏物語(6)・中公文庫 ※
15 山崎ナオコーラ
         この世は二人組ではできあがらない・新潮文庫 ※
16 西川美和   永い言い訳・文藝春秋
17 綿矢りさ   しょうがの味は熱い・文春文庫
18 絲山秋子   逃亡くそたわけ・講談社文庫 ※
19 幅允孝    幅書店の88冊 あとは血となれ、肉となれ・マガジンハウス ※
20 石持浅海   トラップ・ハウス・光文社文庫
21 伊坂幸太郎  ジャイロスコープ・新潮文庫
22 池澤夏樹   スティルライフ・中公文庫 ※
23 西加奈子   地下の鳩・文春文庫
24 星野源    そして生活はつづく・文春文庫

※印は読み返した本です。


 ごぶさたしています。みなさま、お元気でいらっしゃいますか。
 久しぶりの更新となりましたが、まずは本の話から。


 2015年は、7月末までに読んだ本は24冊でした。
 冊数が進まないのは、主に『窯変源氏物語』の1冊1冊のボリュームがあるからですが、本を読む時間自体短くなっています。
 1月にも同じことを書きましたが()、今ほんとうに本屋がおもしろくないです。本屋に行っても、わくわくすることが少なくなりました。
 あの本屋もこの本屋も満足できないし、と、以前なら本屋があればとりあえず覗いていたのに、だんだん足が遠のいてしまいました。

 そんな中、先月トーキョーに行ったとき、神田神保町の書店で久しぶりに本棚の間を歩き回ってわくわく感を思い出しました。
 文芸書の本棚で知らない作家の名前をたくさん見つけたり、背表紙を見て、こんな品ぞろえでいいのか? と、書店の売り上げを心配をして苦笑いしたり、何時間でもいたいきもちになりました。
 そこでスイッチが入って、そのあと訪れた神楽坂のla kaguの2階で文庫本3冊を購入しました。
 ほんとうはもっと読みたい、そこで買いたいと思う本は他にもありましたが、荷物になることを考えてあきらめましたほどです。
 読みたい本が見つからなくてではなく、読みたい本が多くて迷えるなんて、あぁ楽しい、と心の中で何度も叫びました。

 これをきっかけに、もう一度自分のすきな本屋を探してみようと思っています。
 ないないと不満を口にしてあきらめてしまわず、探し求める!
 まずはやってみることにしましょう。

 ちなみに、24冊の中で一番のおすすめは山崎ナオコーラ『ボーイミーツガールの極端なもの』です。
 第一話「処女のおばあさん」が中でもお気に入りなんですが、わたしは読みながら、主人公72歳の鳥子(とりこ)と一心同体になりました。
 いくつになっても、女性は乙女なのです。
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by fastfoward.koga | 2015-08-14 14:48 | 本の虫 | Comments(0)

12月の巻

1 橋本治    窯変源氏物語(1)・中公文庫 ※
2 鷺沢萠    失恋・実業之日本社 ※
3 橋本治    窯変源氏物語(2)・中公文庫 ※
4 伊坂幸太郎  PK・講談社文庫


 2014年、読んだのは52冊でした。
 例年どおり目標は100冊としていましたが、もともと今年は「量より質」と考えていたので、よしとしたいと思います。
 
「量より質」はこだわり続けたテーマで、今年1年はどこの書店でも平積みされている本を安易に手に取らないようにと心に決めていました。
 そうすると、夏以降は本屋に行っても読みたくなるような本はなかなか見つけられなくなり、必然的に本は自分の本棚から選ぶしかなく、年末にはとうとう禁断の書を手にしてしまいました。
 全14巻『窯変源氏物語』です。

 大学時代に買ってから、全巻を読み返したことは未だありません。
 いつか読み返そう、と思い続けて約20年。
 第1巻を実家の本棚から取り出したときにはなんとも思いませんでしたが、読みはじめて「夕顔」のあたりで、とうとうやってしまったのだなという感慨に似た思いが湧いてきました。
 他の作品と並行し、なんとか今年中には全巻を読み終えたいなと思っています。

 そして今年は、もっと貪欲に本読みに取り組みます。
 文学、文芸に触れることを自覚しながら、2014年よりもっと丁寧な本読みをすることを、ここに宣言します!
 さあ、行こう、2015年本読みの旅。
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by fastfoward.koga | 2015-01-03 20:40 | 本の虫 | Comments(0)

11月の巻

1 堀江敏幸   いつか王子駅で・新潮文庫 ※
2 川端康成   掌の小説・新潮文庫
3 ジェーン・スー
         貴様いつまで女子でいるつもりだ問題・幻冬舎


 長らく通勤カバンに入っていたのは、川端康成の『掌の小説』でした。
 読み始めは軽やかにスタートしたのに、途中どうしても文章が頭に入ってこず、億劫になってしまいました。

 96作品がまとめられたこの本の中で記憶に残るのは、『日向』という作品です。
 恋をした娘を「じろじろ見て」しまう自分の癖がある主人公は、ある日の日向でその癖がどこから生まれたのか思い出すという話なんですが、電車に乗っていて気を許すと涙がこぼれそうになりました。

 いつか読み返したら、心に留まる一編が増えるかもしれないなと思う一冊です。
 さすが文豪、ですね。
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by fastfoward.koga | 2014-12-21 21:07 | 本の虫 | Comments(0)