言霊の幸わう国

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ぶっとくぶっとく

 先日旅に出たときに、ともだちふたりに絵ハガキを出した。

 ひとりはその後、すぐに手紙をくれた。
 消印からすると、わたしの絵ハガキが届いた夜に書いて、次の日仕事の合間にポストに入れたようだった。

 久しぶりに見る文字。
 手紙は短く、同じように旅をしていたようで写真が2枚入っていた。
 何度目かに読み返そうと封筒から便箋を出そうとしたときに、ぷんと煙草の匂いがした。
 最近会っていないから、懐かしくなった。
 いつもわたしの旅の珍道中を楽しそうに聞いてくれる友。

 もうひとりのともだちからは、昨日メールが届いた。
 ここ数日のわたしのブログを読んで、久しぶりに長い長いメールを書いてきてくれた。
 心配をかけたと思った。
 書かずにはいられないからエゴで書いたけど、心配させてしまったなと思った。
 反省。

 きっと。
 同じようなことを思ってくれた人は、他にもいるんじゃないかと思う(自分は何様って感じだけれど)。
 心配かけて、ごめんなさい。それから、ありがとうございます。

 今日は休みだったけれど、休日出勤して2月遊んだ分、少し取り戻してきた。
 1日は長いなと思いつつも、仕事はできた。
 それができるようなら、ひとまず大丈夫と自分でも思えた。

 すごくすごく珍しく感情をむき出しにして、その流れに自ら飲み込まれてしまった。
 でももう明日くらいには、元に戻れそう。
 また骨太なわたしで。
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by fastfoward.koga | 2006-02-28 20:39 | 一日一言 | Comments(10)

真冬の奇跡

 日曜は、どしゃぶり、吹き降りの雨。
 月曜は、小雪が舞い散る寒さ。

 土曜日の好天を際立たせるような、過ぎた2日のお天気。

 泣きたいきもちをさらに大きくして、車のハンドルを握った。
 運転しながら、ときどき大粒の涙がこぼれた。
 数秒ごとに変化するきもちの波にふわふわしながらも、涙の代わりに汗で体内の水分が流れたらいいかなと、ヨガに向かっていった。

 帰り道、駐車場を出てしばらく走ると、フロントガラスに白くて小さいものがくっついた。
 それを見ていたら急に、土曜が晴れた暖かい1日だったことを奇跡だったんだと思った。
 そしたら、あの日自分が五感で捉えたすべてのものにちゃんと意味があって、その意味をわたしは少しの間違いなく理解できたんだと確信した。

 どこに行きたいのか、どうしたいのか。
 自分の思いがわからなくて、涙は出る。
 でも、雪を見て、思いついた。

 わたしは、ただ、凛として立っていたい。
 自分が今まで歩いてきたものをちゃんと背負って、まっすぐに立っていたい。
 それだけで誰かの支えになれるのなら、よーし、やってやろうって思う。
 これでもわたしは今まで一生懸命、歩いてきたのだ。

 今、スタートラインに立ったのだろう。
 正直、この道がどこに続くのかはわからない。
 でも大丈夫だと思う。それだけのことをわたしはやってきた、自信はある。
 とにかく進む。そう決めた。

 とは言うものの。
 泣きながら、お腹の底から湧き出るこの力に自分でも驚いている。
 なかなか、やるな。
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by fastfoward.koga | 2006-02-27 19:47 | 一日一言 | Comments(2)

適応不能

 わたしの、新しいなにかへの適応能力は、まわりの人が考えているほど高くはない。

 住むところが変わる。
 職場を異動する。
 初対面の人に自己紹介する。

 例えば。
 新しいジャンルの音楽を聴き始める。
 読んだことのない作家の本を読む。
 選んだことのない色の洋服を薦められる。
 
 そんなことでも、溺れそうになる自分がいつもいる。

 今も、容量はいっぱいいっぱいだ。
 新しく吹いた風は心地よいと感じるのに、素直にそれを表現できない。
 その思いが喉元までくるのに、音にも言葉にもならないのだ。

 すごく自分がもどかしい。

 え―っと。
 もう少し時間をかけてみるしかないか。
 なんだか、泣きたい。かも。
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by fastfoward.koga | 2006-02-27 00:28 | 一日一言 | Comments(6)

師の教え

 先日、卒業した大学から封書が届いた。
 お世話になったゼミの教授が退任されることになったというお知らせだった。

 記念講演会や謝恩送別会には残念ながら出席できないため、欠席で返事をした。
 会いたいような会うのにためらいがあるような。
 ちょっと複雑なきもちになった。

 わたしたち学生はその教授のことを「先生」といつも呼んでいたのだけれど、先生の部屋に入るのはとても勇気がいるくらい、怖い存在だった。

 ゼミのときは席はくじ引きで決め、本を読んだり書き物をしている先生にはいつも目配せし合いながら声をかけた。
 超氷河期と呼ばれる中、就職活動をしているときに同じゼミの子は、圧迫面接よりも先生の方が怖いと言ったくらいだった。

 そんなふうにいろんなことを思い出している中で、先生の口癖がふと頭に浮かんだ。
 先生はわたしたちが実験の結果をまとめたり、本の要約をして発表したあとなどによくこう言った。
「なんでや。なんでそうなったんや。」

 思い込みや、固定概念で結果を求め、考察しようとするわたしたちにどこからその結果が出て、なぜそうなったのかを明確に示せ。
 そうくり返して、先生はその言葉をわたしたちに投げかけてきた。

 浅はかなわたしたちはそんな先生に堂々と答える言葉も持っておらず、よくコテンパにやられていた。
 でも気づくと先生にお世話になった2年間で、おもしろいくらいみんながその口癖を自然に口にするようになっていた。

 今でも、わたしは会社で下の子たちに言っている。
「なんでそう思ったん? なんでそうなると思う?」と。
 これを何度か言うと、また~と嫌がられるのだけれど、だんだんそれを考える大切さは伝わっているはず。
 決してよい生徒ではなかったけれど、そこだけはこれからも先生の意志を引き継いでいこうと思う。

 みなさんの恩師は、どんな人です? 
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by fastfoward.koga | 2006-02-25 00:06 | 往復書簡 | Comments(4)

旅の話 「恋の行方」

 松島の観潤亭で恋みくじをひいた。
 Y嬢といっせーのーでで開いてみると、彼女は小吉、わたしは中吉だった。

 そのおみくじは少し変わっていて、占いのようなアドバイスが書かれていたり、恋みくじなのに「学問」という項目があった。
 Y嬢のおみくじの「学問」の項目には、「英語の復習をしましょう」と書かれていた。
 お相手は英語を話す人なのか? とふたりで大爆笑した。

 ちなみにわたしのおみくじには、こんなことが書かれていた。

  星座 : 双子座がよい。蠍座はさけなさい。
  血液型 : A型かО型がよい。B型はさけなさい。
  年齢差 : 三歳以上離れない方がうまくいきます。
  十二支 : 卯歳以外ならよい。
  方位 : 南か南西がうまくいきます。
  縁談 : 考えるのはまだ早いが、非常に良縁ならば二年程待って進めなさい。
 
 やけにリアルな表現で、おもしろい。
 しかし、次に恋をして、おみくじにそう書いてあったからとわたしは2年も待てるだろうか?
 意味なく待てないな~、なんてこったと思った。
 結構真剣に箱に手を突っ込んでひいたけれど、内容の軽さにがっくりした。
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 でもおみくじにはこんな歌も書かれていた。

  「一心に 真心尽くせ 授かりし 縁に 愛の 倖せを 得ん」 

 それは、しかと、受け止めた。
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by fastfoward.koga | 2006-02-23 21:34 | 旅行けば | Comments(4)

更新情報 5 (図書室)

 図書室に本を増やしました。

 吉本ばなな(よしもとばなな)の本、26冊です。
 決して熱狂的なファンではないと思いますが、新刊が出ているとついつい買って読んでいました。
 主人公の女性が、いつもわたしにはない毒を持っていて、最後はとてもドライな考え方をするところがなぜか気になって、手にとってしまうように思います。

 あなたのすきなよしもと作品は、ありますか?
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by fastfoward.koga | 2006-02-22 21:08 | 本の虫 | Comments(6)

旅の話 「見上げるわたしとそこに見えたもの」

 旅に出て、旅から帰って、気づいたことがある。
 まだ自分でも掴みきれていないのだけれど、表わすなら「心境の変化」。
 なにがどう、ということもよくわからない。
 でも、心の中に一筋の光がスーッと入り込んでくる絵が目に浮かぶ。

 旅の3日目に、松島へ行った。
 以前高校生のころ行ったことがあったけれど、その当時は楽しむことができずあまり見たものを覚えていない。
 でも今回は、思う存分松島を満喫した。
 カキをたくさん食べて、島と海の景色を見て、またカキとサザエを食べながらビールを飲んで、カモメの群れに恐れおののき、何度も空を見上げた。

 この日の写真は、やけに空を撮ったものが多かった。
 とても暖かくて、思わず見上げたくなるような雲の浮かぶ空だったのだ。

 瑞巌寺に向かうまっすぐな道でも、木々の隙間から見える空を見上げた。
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 そこで魂でも吸い取られたかな。
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by fastfoward.koga | 2006-02-22 00:16 | 旅行けば | Comments(2)

旅の話 「氷点下16度の世界」

 帰ってきた。
 もううちに帰らねばならないのかと思うくらい、4日間はあっという間に過ぎた。
 もう少し旅をしていたかったなと、思った。
 いろんなところを旅するのはすきだけれど、帰るときに心底そう思うのは稀。
 帰りたくないなと言っていても、うちのふとんで眠れることを望むきもちがあるのが常だから。

 歩き足りない、そう感じた。
 もっとくたくたになるくらい歩かないと、わたしは旅をした気にならないのかもしれない。

 買い換えたデジカメで、結構たくさん写真を撮った。
 まずは1枚目。
c0047602_20575378.jpg

 氷点下16度の世界。
 本気で死ぬかと思うくらいのとげとげしい寒さ。
 暖房のきいた部屋で飲んだ、ホットワインのアルコールを感じないくらいの冷え。
 でもきれいだった。
 この世のものとは思えなかった。
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by fastfoward.koga | 2006-02-20 20:59 | 旅行けば | Comments(19)

旅の途中で

 今は仙台。
 昨日までは山形にいて、雪と寒さを思う存分楽しんだ。

 旅でしか感じられないこと。
 たくさんあるなと、今回も感じた。

 また帰ってから、フィルターにかけてここに記したいと思う。
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by fastfoward.koga | 2006-02-19 00:31 | 旅行けば | Comments(6)

雨と小説と365分の1日

 帰りの電車の中から、ずっと昨日と今日降った雨の描写について考えた。
 この雨は、わたしが今までに出会った雨とは違っている気がした。
 一体なにが違うのか?
 それをずっと考えていた。

 昨日、書いたようになんども頭と心のフィルターでろ過してみた。
 でもいつもみたいにしっくりくる言葉に変換されない。
 駅から原付を走らせながら、少し視線を外に向けて、周りの景色にピントを合わせてみた。

 そうやっていると、なんとなくしっぽを掴まえることができたような気がした。

 この2日間、うまく雨を切り抜けたせいか雨が降ったという実感がなかった。
 雨音に耳を澄ますこともなかったし、落ちてくる雨の質感も捉えることがなかった。
 そう。
 今回の雨は、ただ世界のすべてを濡らしたという事実しか、わたしには与えなかったのだ。

 そんな微妙な雨の日に、雨の降る小説を読んだ。

「喫茶店は混みあっていて、そこには今度こそ本物の雨の匂いがした。ウェイトレスのブラウスにも、コーヒーにも雨の匂いがした」                         
                            村上 春樹 『1973年のピンボール』

 空いた電車で、その一文から目を離し見えた景色が忘れられない。

 そんな1日の終わり、数分間、遠くにいった彼のことを考えた。
 たった2分。
 今のわたしにはそんな時間しかちゃんと向き合うことができなかったけれど、忘れたりはしない。
 365分の1日がしっかりと手応えを残して、日付が変わった。
 さあ、明日は旅に出よう。
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by fastfoward.koga | 2006-02-17 00:37 | 一日一言 | Comments(0)