言霊の幸わう国

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パウチ

 昨日の朝は、どうしてもその時間に送りたいメールがあったので、7時に目覚ましをかけた。
 ほんとうは休みなのでもっとゆっくり寝ててもよかったのだけれど、朝伝えなくては意味のないメールだったのだ。
 耳をすますと、雨音がしていた。
 寒い上に雨かとちょっと失望して、メールだけ送信したらまたうとうとと眠ってしまった。

 寒い1日だった。
 でも、昼過ぎには雨はやみ、空はみるみる青空に変わっていった。

 お天気の回復を喜びながら、建仁寺に向かった。
 風がびゅんびゅん吹いていた。
 靴を脱いだ足先は冷たくなっていたのに、ひなたに出て庭を眺めていたら、体全体に暖かさが急速に戻ってきた。

 どのくらいすわっていたのだろう。
 時間を気にすることなく、話をしていた。
 相手の話に耳を傾け、わたしは言葉を慎重に選んで答えた。
 時折、太陽が雲の隙間から顔を出したり、風が吹くたびにざわざわする木々の音に驚いたり、まぶしさに目を細めながら猛スピードで過ぎてゆく雲の流れを見た。
 
 やっと立ち上がったとき、きっと今五感で感じたことはこの庭の景色と一緒にパウチされて忘れないんだろうなと思った。
 そのことを相手に伝えようかと思ったけれど、やめた。
 きっと遠からず同じようなことを感じてくれていると思ったので。

 毎日という日常の中にある、ささやかな幸せ。
 これから、ときどき抽斗から取り出してはいつくしむ記憶。
 いろんなことを感じられる自分でよかったなと、思った。

 ただし、長く太陽の光を浴びすぎて、日焼けした頬がピリピリ痛むのが余計だった。
 春の日差しをあなどってはいけない。
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by fastfoward.koga | 2006-03-31 17:52 | 一日一言

内から外へ溢れるもの

 先日、朝日新聞でおもしろい記事を見つけた。
 その記事は「紙上特別講義」とタイトルのついた、毎週月曜日にいろんな分野の大学教授が登場するコーナーに書かれていた。

 その日の内容は、「顔」について。
 事前に大阪樟蔭女子大学の村澤教授が宿題を出していて、それに対する読者の解答で記事は構成されていた。
 その問いとは。

「あなたにとって『人は見た目が(  )%』ですか。数字を埋めた上、『見た目』で判断できること、逆に分からないことについて500字程度で答えなさい。」

 70歳の女性は、70%。口紅をつけることで気分を一転させることができる。
 40歳の女性は、50%。人を見る目を養う人生経験が大事である。
 38歳の男性は、100%。見た目として表現されているものはその人の内面を表現しているから。
 それぞれが、そんなふうに答えていた。

 わたしは、昨日の話の続きではないけれど、見た目は大切だと思う。
 みだしなみという点でも、表情やしぐさ、姿勢といったものも含め、その人がもっているものは表に出ると思っている。
 だから、パーセンテージにすると、90%・・・いや、80%くらいだと考える。
 ほんとうは、もっと100%に近い数字だと思っている。
 でも40歳の女性が答えたように、それを見抜く力が自分になければ100%にはならないと思うのでちょっと控えめにしてみた。
 
 わたしは、自分まわりの家族や友人やすきな人はみんないい顔をしているなと思う。
 確かに贔屓目で見ていることろもあるだろう。
 でも、いいものを思っているからいい顔をしていて、いい顔をしているからいいものをもっているということは純粋に感じる。
 卵が先かニワトリが先かという話みたいだけれど、結局は、いい顔だし、いいものをもっているから、惹かれるのだ。

 みなさんは、人は見た目が何%だと思います?
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by fastfoward.koga | 2006-03-30 00:23 | 往復書簡

人の目

 今日は休みで、1日すっぴんで過ごした。
 結構久しぶりのことだ。
 出かけるときはちょっとそこまで行くだけでも化粧はして出かけるので、すっぴんでいるイコールうちから一歩も出ないというのがわたしのお決まりだ。

 が、今日はすっぴんのままコンビニに行った。
 どうしても今日行かないといけない用事だったのだけれど、夕方になって思い出し、雨が小雨になったところでじゃまくささをかなぐり捨て、えいやっと出かけたのだ。
 化粧をしなくっちゃと思ってしまうと、もういいやとなっていただろう。
 でも今日は、お天気が悪いとまわりの人はきっとぼんやりしているだろう、と勝手な言い訳をして、ろくに鏡も見ずにうちを出た。

 身だしなみには気をつけよう。常々そう思っている。
 でも、たまに手を抜いてしまう。
 で、そういう日に限って、会いたくない人と会ってしまうんじゃないかという恐怖心につきまとわれる(まるでユーミンの歌だ)。
 だから、まいいっかと出かけたものの、電車に乗って後悔することがよくある。

 でも、よく考えると、キャンプに行ったときはいつもお風呂あがりはすっぴんだ。
 初めのころは化粧をしなおしていたけど、男子チームを待たせるのもなんなのでそのままだ。
 同じく、寝起きの顔だって見せている。
 しかも寝癖のついた、飲みすぎと枕が低いせいでむくんだ顔。
 ぶさいくもいいところだ。

 気を抜くところは抜きたいけれど・・・。
 やっぱり、身だしなみには気をつけないといけないな。
 すっぴんがいけないということではないけれど、今日のわたしはかまわなすぎた。
 反省。
 
 人は見られることを忘れたら、おしまいだ。
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by fastfoward.koga | 2006-03-29 00:10 | 一日一言

更新情報 9 (図書室)

 15冊、更新しました。
 今回は、男性作家の作品ばかりです。
 伊藤かたみ、川島誠、平中悠一、金城一紀の面々です。

 伊藤たかみと川島誠は、児童文学の賞を受賞しています。
 小中学生のこどもを主人公にした作品を書いたものがそうですが、それ以外の作品もわたしは結構すきです。
 読み返す頻度は少ないですが、このふたりの作品は頭のどこかにいつもあるという不思議な存在です。

 伊藤たかみなら最近読んだ「ミカ!」、川島誠なら「800」がお薦めです。
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by fastfoward.koga | 2006-03-28 20:10 | 本の虫

目印

 10代の終わりから、ずっとわたしの前を走っている人がいた。
 いつのころからか、その人が2年先を生きていれば、自分は迷うことなく歳を重ねられると思うようになっていた。
 目印になってくれていた人。
 その人のことが、わたしはずっとすきだった。

 もう連絡をとらなくなって、2年近くになる。
 何度もふられたことのある人なので、電話するのはいつも勇気がいった。
 すきだという思いが変化し始めたくらいから、少しは話すことに慣れてはきたけれど、いつも気合を入れて電話をするのは最後まで変わらなかった。

 古い日記には、その人のことが山ほど書かれていた。
 何度すきだと言ってもふられるので、あきらめようとしたことは1回や2回ではない。
 よし、今度こそは、と書きながら、数ヵ月後には、やっぱりこの人じゃきゃ、と書く。
 数年間、そのくり返しだった。

 そのとき必死で精一杯だったのは過去の自分なので、やり方がまずいなと思っても嫌いにはなれない。
 ただ、今は笑える。

 なにが笑えるかというと、彼の誕生日に書いたバースデイカードのどこまでもまっすぐな愛の告白と彼と電話で話したあとの高揚感を綴った言葉。
 その表現が、なんとも言えない。
 幼くて、一生懸命で、もう二度とこんなうれいしことが自分にはやって来ないと思っているきもちが溢れていた。
 そして、今初めて気づいたけれど。
 もしかしたら、ほんの一時期だろうけど、彼はわたしのことをすきだったんじゃないだろうか。

 もう会うことも、話すこともない人。
 彼はわたしの目印でいてくれたけれど、わたしは彼にとってのそれにはなれなかった。
 やっぱり、自分じゃ役不足だったのだ。
 それは紛れもない事実。

 見上げるとそこにある同じ空の下に暮らす限り、彼には幸せでいてほしいなと願う。
 わたしができるのは、もうそれくらいしかない。
 そんなことを願いながら、わたしはわたしで今度こそ別の誰かの目印になろうと思う。
 日記を書いていたころの自分のように、必死で精一杯なことをめいいっぱいしようと決めたのだ。
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by fastfoward.koga | 2006-03-28 01:00 | 一日一言

「天使たちのシーン」

 今朝は、5時起き。
 いつもより睡眠時間は短いはずなのに、なぜか目はパッチリ開いた。
 土日祝の朝だけは、ダイヤの都合でのんびり普通電車に揺られて出勤する。
 たいていは眠ろうとするのだけれど、今日は読みかけの本が気になっていたので、1度も目は閉じなかった。

 本を読んでいると、ところどころで懐かしい、誰かに手を握りしめてもらうくらいの強さと重みを胸に感じた。
 ほんの少し息苦しくなって本から目を上げると、広い電車の窓から朝日に照らされた町が見えた。
 朝日で、その景色はキラキラしていた。とてもきれいだった。
 でも、それ自体は、なんてことのない。

 本を読んで、きもちが揺さぶられて、目の前に広がる景色とそのきもちが同化する。
 いろんなところで本を広げるわたしには、よくあることだ。珍しいことではない。

 ただ今日は、そこでふと小沢健二の「天使たちのシーン」の歌詞のいくつかが口から洩れた。
 はなうたとうたの中間くらい。
 空いた電車だったからかもしれないけれど、自分でうたっているようには思えないような感じがした。

 「愛すべき生まれて育ってくサークル
 君や僕をつないでる緩やかな止まらない法則(ルール)」


 適当に覚えている歌詞をつなげてうたっていると、これまた目の前の景色と同化して、ふと湧き上がるように思った。
 朝になれば、何度でも生まれ変わろうと思えば生まれ変われるんだな。って。

 忘れていたけれど、わたしはそんなことをくり返して毎日眠って起きていたのだ。
 そのことが、ずっしり胸に落ちた。

 「神様を信じる強さを僕に 生きることをあきらめてしまわぬように
 にぎやかな場所でかかりつづける音楽に 僕はずっと耳を傾けている」


 この曲を初めて聴いたのは、1993年。
 もう12年も前になる。
 不思議だ。
 12年たって、こんなふうに耳を傾けたり、口ずさんだりするとは思いもしなかった。
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by fastfoward.koga | 2006-03-25 21:32 | 耳袋

ブレーキの匠

 アクセルの踏み方と、ブレーキの使い方。
 どっちがうまいかと言えば、わたしは断然ブレーキだ。

 仕事でもプライベートでも、わたしは「ちょっと待って。よーく、考えよ~」と言う役が多い。
 普段、それをイヤだなと思うことはあまりない。
 でも、たまにそういう自分に飽きることはある。

 そんなときはちょっと迷いながら、アクセルを踏んでみることにする。
 そして、踏んだアクセルは思ったよりも強くなってしまうことが多い。
 あ~、やっちゃったなということを、今まで何度もくり返してきた。

 アクセルを踏んで失敗したなと思うことは多い。
 たぶん、ほんとうはブレーキをかけすぎて失敗していることのほうが多いのだろうけれど、もともともっている性格なのでそう感じることは少ないのだ。

 失敗を怖がることはしたくない。
 でも、失敗を失敗だと思わないことも大切なのではないかと今日気づいたのだ。

 最近のわたしは、思いやりに欠けていた。
 ちょっと機嫌よくなって、つもりだけでその気になって、まわりをちゃんと見ていなかった。
 反省。

 欠点を改善することは、もちろんいいことだ。
 でも、今は、ブレーキをうまく踏めるスキルを高めてみようと思う。
 極めたら、それはそれで誇れるものになるはず。
 よっしゃ。自信をもってやってみよう。
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by fastfoward.koga | 2006-03-24 23:01 | 一日一言

予定のない幸せな休日

 今日は、休みだった。
 数週間ぶりに、なんの予定も入れずに休みの朝を迎えた。
 明日はなにをしようかと昨日の夜はなんとなく考えていたものの、珍しくそのまま眠ってしまった。
 今朝は9時ごろに起きて、午前中は朝風呂に入り、新聞をゆっくり読みながらハハと話をし、再放送の2時間ドラマを見ていた。
 お昼を食べたあと、このままうだうだするのももったいないなと、買い物にぶらっと出ることにした。

「はじめてのやのあきこ」を買おう! と初めは思っていたのだ。
 でも久しぶりにCDショップに来たので、うろうろしていたら木村カエラのアルバムの試聴を見つけた。
 そのアルバムには岸田くんの提供した曲があって、それが聴きたいと思ったのだけれどどうしてもタイトルが思い出せなかった。
 全部聴くエネルギーはなかったので、一瞬買ってしまおうかと思案した。
 うーんと悩んだところで、ふととなりの本屋で雑誌を見たらわかるかも、とひらめいた。

 が、それが最後。
 結局、本屋にいる時間のほうが長かった。
 本来の目的の音楽雑誌はいろいろめくってみたけれど、岸田くんの提供した曲のタイトルはわからずじまい。
 そのままCDのことを忘れて雑誌を数冊立ち読みし、文庫売り場へ移動した。

 平積みされている本を端から端まで、じっくり見ながら足を動かした。
 けれどピンとくるものはなく、本棚に納まっているものも左から右へ視線を移してみたけれどなかなか手を伸ばすことができなかった。
 そこで、今度はみなさんのブログやコメントで教えてもらった本を探してみようとハードカバーの本棚へさらに移動した。

 そこからが長かった。
 川島誠の本を見つけまず手に取り、村上春樹の本を2冊手に取り。
 手にしたハードカバー3冊の金額を計算し、予算オーバーだなと考えて、そこでCDを買いに来たことをやっと思い出した。
 が、そこで本への購買意欲を抑えることもできず、結局そのあともさんざん悩んだ挙句ハードカバー2冊、文庫1冊で折り合いをつけてレジへ向かった。

 肝心のCDは、結局やめてしまった。
 いったいなにしに行ったのやら。
 でも、帰り道、暖かい風を頬に感じて原付を走らせながら、なんて幸せな休日だろうと思った。

 これを書いたら、買ってきた本を読む!
 ハードカバーの本のどちらから読むか(文庫本は通勤用)、そんな悩みで顔が緩む。
 は~、これで今月は次の本の心配をしなくていいかな。
 ・・・あ、でもまだ10日近くあるか。
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by fastfoward.koga | 2006-03-23 20:28 | 一日一言

更新情報 1 (音楽室)

 大学生のころに聴いていた(はず)、18枚を更新しました。
 我ながら、なんちゅー一貫性のない趣味、と思いますが、ジャケットを見て久しぶりに聴きなおそうかなと思うものがいくつもありました。

 先日、小沢健二の「犬は吠えるがキャラバンは進む」やヴィーナス・ペーターの「BIG ”SAD” TABLE」をかなり久しぶりに聴きましたが、やっぱりいいなとしみじみ思いました。

 いいと感じた「なにが」が大切なのではなく、そう感じるものがあるというのがただすごいです。
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by fastfoward.koga | 2006-03-23 18:08 | 耳袋

更新情報 8 (図書室)

 久しぶりに、図書室に本を入れました。
 今回は、村上春樹の作品12冊です。

 更新しながら、案外彼の作品を読んでいるんだなという思いと、まだまだ彼の作品、そして彼に関する書物はたくさんあるのだなという思いがしました。
 もう少ししたら、彼が訳した海外文学にも手を出してみたいなと思っています。

 
 これで、図書室の本は全部で182冊になりました。
 まだ図書室というにはおこがましい数ですね。
 でも、本棚は3つ目です(この本棚が68冊しか入らないというだけの理由ですが)。
 もう少しマメに更新してゆけるよう、がんばります。
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by fastfoward.koga | 2006-03-23 16:01 | 本の虫