言霊の幸わう国

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しんみり

 薄い三日月が、西の空に浮かんでいる。
 昨日よりも細く白く、スパンと切れそうだ。

 今日は、いつもよりは早く帰宅した。
 部屋は昼間の暑さで空気がこもっていて重かった。
 少しうんざりして、夕涼みがしたいなと、原付に乗ってふらふらと出かけた。

 頬に当たる風は、少しひんやりして心地よかった。
 そよそよ、といった感じ。
 のほほんと原付を走らせるわたしの横を、車がビュンビュン飛ばしてゆく。
 テールランプの赤が、やけに目の奥に残った。

 涼んだからとすぐに帰る気にはなれず、ミスドに入った。
 クーラーが効きすぎていて、結局は1時間ほどしかいられなかった。
 涼みに出たのに冷えすぎて、帰りは風が生暖かく感じた。

 ドーナツ2個の甘さが、今胃にきている。
 ばかだなぁ。

 5月は、こんなふうに終わってゆく。
 6月は、どんなことが待っているのかな。
 今日は、なぜだかちょっとしんみり。
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by fastfoward.koga | 2006-05-31 21:38 | 一日一言 | Comments(6)

愛のムチ

 最近のわたしは、厳しい。
 決してやさしい人間ではないので、今までの厳しさに輪がかかっているかもしれない。

 先行きに、期限がついたからというわけでない。
 ・・・と、自分では思っている。
 でも、あせっていないとは言えない、のかもしれない。

 相手に厳しく接すること。
 それをするからには、少なくとも同じ次元のものごとに自分も厳しくなくてはいけないと思っている。
 一方的に相手に求めるだけなんてことは、していないつもり。
 相手に変わることを求めるなら、自分がまず変わったことを見せなくてはならないし、変わることへの抵抗が少しでもなくなるようなフォローはする。
 それが、礼儀だと思っている。

 昨日と今日が同じでない。
 今日と明日が同じでない。
 簡単そうで簡単でないこと。

 それを求めるのだから、相手はもちろん、求めたわたしにも痛みはともなう。
 そんな自分を、相手に知ってほしいとは思わない。
 でも、ひとりでがんばっているのではないことは知ってほしい。

 この1ヶ月、何人もの相手を落ち込ませたり、泣かせたりした。
 その表情を見ていて、きもちがいいわけはない。
 でも、わたしはあえて笑顔で厳しいことを言う。
 相手に、がんばってほしいという思いを言葉にはせずに。
 もう突き詰める手を緩めようかなと思うこともある。
 でも、がんばってほしいからそれはしない。

 これでも、わたしはただのムチは打てないのだ。
 どうでもよかったら、とっくの昔にもうやめようって言ってる。
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by fastfoward.koga | 2006-05-30 21:27 | 一日一言 | Comments(2)

絵ハガキの行方

 高橋幸宏の「青空」という曲に、こんなフレーズがある。

 「絵葉書を 買ったよ
 あふれる 僕の思い託した
 青空の 絵葉書」


 今朝、仕事に出かける支度をしているときに聴いていて、ふと耳にとまった。
「絵葉書」というキーワードで、するするっと記憶の抽斗が引き出された。

 出張帰りの那覇空港で、絵ハガキを書いたこと。
 空いた空港内のベンチで、かばんを机代わりにした。
 会社の先輩が気を利かせるように席を立ったあと、少しきもちをはやらせて、でもまちがえないようにとペンを走らせた。

 その人に宛てたいくつもの絵ハガキとメッセージカード。
 まだその人の手元にあるのだろうか、と考えた。

 その人の部屋で、自分が送ったハガキが参考書の間にはさまっているのを見つけたことがあった。
 そっと引っ張り出すと、大学の同級生らしき女の子からの近況を知らせたハガキがくっついてきた。
 ケンカのネタになるようなことは書かれていなかった。どう深読みしても、そこには懐かしさがあっただけ。
 それを読んでから、自分のハガキを読み返した。
 1度自分の手から離れたハガキに描かれた風景と言葉は、どこかよそよそしげな感じがした。

 あのときのように、自分が誰かに送ったハガキや手紙を読み返したいとは思わない。
 でもそれらの行く末を知りたいなと、ただ思った。

 形が残っているのか、言葉だけが残っているのか。
 形だけが残っているのか、それともなにも残っていないのか。

 そんなこと、わかったところでどうしようもないのだけれど。
 なぜか、今日は気になって仕方なかった。

 どうせ答えはわからない。
 だったら、また同じように、どこか旅先から思いをいっぱい詰め込んだ絵ハガキを書いて送りたい。
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by fastfoward.koga | 2006-05-29 00:50 | 一日一言 | Comments(11)

なぜ仕事をするのか? なぜならそこに仕事があるから

 以前はこんなことを書いていたわたしも(「切り札」)・・・。
 昨日はこんなことを書いて(「チャージ満タン!」)、8時間眠ったのに・・・。
 今日、栄養ドリンクに手を伸ばした。

 ハハは昨日、ここ数日のわたしの帰宅時間と「ただいま」という表情を見てつい口から出たのだろう。
「忙しいのん?」と言った。

 なぜか、「うん」と即答できなかった。
 忙しくなければ、休日出勤も残業もしない。
 だから「そうやねん」と言えばいい。
 でも、そうハッキリと答えられなかった。

 忙しいって、なんだろう?

 忙しい、と言う自分は、いつも時間にせかされていた。
 期限やしめきりに追われていた。
 今のわたしの状態は、時間があるないの次元ではない。ただやることが山積みになっているだけだ。
 単なる時間の問題ではない。
 今後悔しても仕方のない、今まで自分がしてきたことがなんなのか、それと毎日毎日向き合っている。

 今いる場所になにを残してゆけるのか。
 考えるのはそればかり。

 きっと胸の中に、頭の中にあるすべては残してはゆけない。
 でもやりきりたいと思う。
 だから、まだ余力を残して栄養ドリンクを飲み干した。

 中長距離は苦手なのだ。
 スタミナがないのは、昔から。
 でも7月まで、・・・いや、これから1年かな、ばてるわけにはいかないのだ。
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by fastfoward.koga | 2006-05-28 00:45 | 一日一言 | Comments(6)

チャージ満タン!

 仕事を終えて、ゴハンを食べて、部屋に入って、パソコンを立ち上げて。
 なにを書こうか、考えた。
 でも今日はうまく頭が動かない。
 思考の入口で、前に進もうとしてもまわりが暗くて立ち往生している。

 今日は。
 ただ働いた。
 とにかく働いた。
 意見の主張もしたし、電話会議も出たし、ミーティングで議事進行もしたし、明日からの調査の準備もし、引きつぎもぬかりなくした。

 残業に突入したあたりから、疲れが出始めた。
 やたらとひとりごとを言っていたのが、その証拠だ。

 あかん。
 睡眠時間が短すぎて、ばてた。
 4、5時間睡眠が3日も続いたら、電池が切れる。
 やっぱり6~7時間は眠りたい・・・。

 みなさんのチャージが満タンになる睡眠時間は、何時間?
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by fastfoward.koga | 2006-05-26 22:32 | 往復書簡 | Comments(10)

ショートバング

 ひとつの疑問。
 どうして、髪を切った直後には思わないのに翌日は切りすぎた! と思ってしまうのだろう?
 特に前髪。

 昨日は、仕事帰りに髪を切りに行った。
 ぼさぼさした頭をスッキリさせて、ついでもきもちもさっぱりさせようと思ったのだ。

 32年間(ここに改めて年齢を明言しよう)、肩に髪がついたのは片手で数えられる回数で、しかも短い期間しかない。
 わたしはずっとショートカット一筋なのだ。
 そしてこの1年、その短さに輪をかけている。
 たぶん髪が耳にかかるくらいの長さの男の人なら、わたしのほうが短いだろう。
 職場では、「髪切った?」じゃなく、「散髪したん?」と言われる。

 今日は朝仕事に行く支度をするために鏡を見て、やっぱり思った。
 切りすぎたかな、って。

 高校生のころ、よく読んでいた安住磨奈のショート・ショートに前髪を切りすぎた女の子の話があった。

 こんな前髪じゃ恥ずかしくて学校に行けない! と一晩中、鏡の前で葛藤する女の子。
 徹夜で試行錯誤したものの結局はまっすぐに前髪を下ろして学校に向かうけれど、周囲の反応を敏感に感じて早退しようと保健室に向かう。
 すると、気になっている男の子と階段ですれ違う。
 話もしたことはないけれど、顔くらいは知っているはず。だったら、この前髪を見たら、「おっ」なんて反応をするかな・・・。
 と思っていたのに、目が合ったはずの男の子は彼女の変化に気づかず階段を上がっていった。
 女の子はそこでこう思う。

 「やっぱ早退しよう。もう一度、美容室に行こう。髪金(パツキン)でもドレッドで
 もいい、あの子が目を見張るくらいのインパクトを持つ。
 『なんだよ、あのスゲエ女』って、見たくなくても目に入っちゃうようなスタイルに
 して、髪の下にある名前や好きな食べ物や、それからあの子と仲よくしたい心や
 らいろいろあることを、知ってもらうんだ。」


 髪を切ることは、軽い魔法だ。
 現に、昨日、落ちた髪を見て憑き物が落ちたような気さえした。
 だから、切りすぎたような気のする前髪もオッケー、オッケー。
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by fastfoward.koga | 2006-05-25 22:19 | 一日一言 | Comments(6)

ドロ沼の恋

 朝からずっと1日中、言葉について考えていた。
 きもちの容量が狭くなっていて、自分に向かってくる言葉にうまく対応できていないことに憤っていた。
 スイッチに少しでも触れたら、一気に涙が出そうだった。

 だから、こうして書くこともつらいと思っていた。
 でも、わたしは書くことを辞めることができない。
 それは書くことへの執着ではなく、どちらかというと読まれるということへの責任と意地だ。 
 誰に対しての責任と意地なのか、考えたら馬鹿馬鹿しい。誰も、わたしに書くことを強要などしていないのに。
 そう思うものの、やっぱり辞められないのだ。

 ただ、言葉のご褒美がほしい。
 今、こうして書きながら、自分のほしいものが急にわかった。

 プライドが高層ビルほど高いので、与えられるだけは自分が許せない。
 自分がなにかを発信して、相手のアンテナにひっかかる。そこでまた何かが生まれて、それを読んで自分でまた何かを作り出す。
 わたしが求めるのは、そういうもの。
 そうやって生まれる言葉がほしい。

 ・・・また、ややこしいことを考えているな。わたし。

 昼間は、言葉に囚われていた。手も足も、頭も胸も、がんじがらめになっていた。
 言葉には、何度でも笑みをもたらしたり、涙を誘ったりする力がある。
 でも一方で、手にする場面が違えば、まったく違う言葉に感じることもある。
 それを意識したのは今日の夕方になってからだけれど、わたしはずっと前からそのことを知っていた。
 だからどんなに残酷な言葉でも、必ず反芻した。何度でも何度でも、傷口にナイフを突き立てるように言葉をなぞった。

 いつもながら、いやな作業だ。気が遠くなる。
 でもそうしているうちに、言葉と言葉の間から急にむくむくなにかが湧きあがってくる。じっと痛みに耐えたら、それを見つけて、手にすることができるのだ。
 わたしはそのなにかが自分を強くしているのだと、思う。

 タダより高いものはない。
 なんて言うと色気もないけれど、わたしは言葉に囚われながらも恋をしているのだ。
 それもずぶずぶ溺れる感じの、ドロ沼の恋。
 今日のようにときどき逃げ出したくなるけれど、一生足は洗えないことはわかっている。 
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by fastfoward.koga | 2006-05-24 20:53 | 一日一言 | Comments(6)

尾道へ 1歩目

 ときどき、気になる言葉を辿りながらいろんな人のブログを渡り歩くことがある。
 同じ言葉でも使う人が違うと言葉の色合いや意味や湿度が違うものだなと、いつも思う。
 世の中には、ほんとうにたくさんのいろんな人がいる。

 この間も、どこをどう進んできたかもうわからなくなったあたりで「尾道」という言葉を見つけた。
 どんなことが書かれているのかと思いながら、文字をクリックした。
 現れた画面には、ついこの間見たばかりの尾道の海があった。

 写真を見ただけで、尾道のどのあたりから写したものかすぐにわかった。
 その人の文章を読み進めると、間違っていなかったこともわかった。

 覚えようとしていたわけではない。
 でも、坂道を、石段を、上っては降り、降りては上りする間に何度も眺める景色だから、自然と頭に入ってしまった。
c0047602_1147798.jpg

 尾道には、こんな狭い道がいくつもある。まるで迷路のように。
 でも、迷うことはない。背中に山を、正面に海を見ていれば、必ず広い道にたどり着く。
 尾道の法則だ。
 
 ほんまに、いいとこ。あくせく歩き回っても、きもちはのんびりできる。
 みなさんもぜひ行ってほしいので、気が向いたときに、少しずつ尾道をご紹介したいと思います。
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by fastfoward.koga | 2006-05-23 11:53 | 旅行けば | Comments(4)

曇りのち晴れ

 ここ1週間、体調がすぐれなかった。
 初めは自分でも気づかないくらいの、ズレというかゆがみと言うか。
 違和感があった。
 それがこの2、3日では翌日にもだるさが残る感じがあって、仕事に行くにも心の中でかけ声が必要になっていた。
 
 仕事ができないくらいのものではない。
 でも、心にも体にもわだかまりが残っていて、きもちよく前に1歩が踏み出せない。
 きもちが先か、体が先か。
 調子が悪くなるといつも考えることを、今度もまた考えた。

 不摂生な生活を送っているとは言いがたい毎日なので、原因はそんなことだろうと考えていた。
 でも、職場で体調がすぐれないと話したら、意外にも答えはあっけなく見つかった。
 ここ1週間くらいで職場の冷房がきつくなったのだ。

 なぁんだと、納得した。
 足のむくみや、肌の調子や、体のだるさの原因はそこにあったのだ。
 現金なもので、原因がわかったらなんとなくだるかった体が軽くなったような気がした。
 きもちも、ある部分はすーっとした。

 とは言うものの、引っかかっていることがすべて解消されたわかではない。
 大げさだけれど判決を待つ被告人のような心境であることには、変わりはない。
 でもわたしには時間がない。7月まで、息もつけないくらい猛スピードで働かなくてはいけない。
 うじうじ、もじもじしている場合ではないのだ。
 さて、また明日1日休んで、またがんばるか。
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by fastfoward.koga | 2006-05-23 00:32 | 一日一言 | Comments(4)

月日は百代の過客にして、行かふ年も又旅人也。

 昨日、少し書いたけれど、今日まで豆パン屋アポロさんのお店の2階で「空想エアメール展」が開かれていた。
 いろんな人の作品を見ながら、旅について考えた。

 旅。
 いつも自分の中にあるもの。
 旅から帰ってきて、すぐに次に向かうべきところを探してしまうせわしない自分。
 どうしてそんなに旅に出ようとかきたてられるのか。
 自分でも、少し不思議。

 来月もどこかに行きたいなと、今も思っている。
 再来月は誕生日だし、とも思っている。
 でもまだ実行段階には至っていない。

 それでも、心は旅へ誘われる。
 そんなきもちとうまう付き合えるように、以前からほしかった「えんぴつで奥の細道」を昨日買ってきた。
 さっそく、シャーペンじゃなくてえんぴつを手にして書き始めた。

 音楽も、テレビも消した静かな部屋で、ただえんぴつを走らせた。
 この本は文字をなぞるように作られているのだけれど、なぞるという行為がこんなに難しいものだったかと、小学生の国語の授業を思わず思い出した。
 ただ、なぞるだけ。
 でも、そこにあるのはそれだけではない。

 なぞるだけで、芭蕉の旅に出るその瞬間の思いが自分に乗り移ったような気がした。
 見送りの人たちと別れるときの悲しさが、ずんと胸に来る。

 全部で50日分。
 東京深川から、終着点の大垣まで。
 できる限り毎日、心静かに芭蕉になったつもりでえんぴつを手にしようと思っている。
 そうすることで、わたしは京都にいながら旅をすることができるのだ。

 終わったら、いつか、実際にその道筋をそのまま辿ってみたい。
 ま、それは隠居生活の楽しみにとっておこうかな。
 とにかく、今はみちのくへの旅をめいいっぱい楽しもう。
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by fastfoward.koga | 2006-05-20 22:39 | 一日一言 | Comments(0)