言霊の幸わう国

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流れる思考

 燻る思いで、今日もぶんぶん自分を振り回している。
 でも今日は昨日とは違う。
 夕飯はおいしく感じられたし、テレビをつけずに電気をちゃんとつけてくるりを聴きながらどこにもたれるのではなく前のめりになりながら本を読んでいたら、少し心地よくなった。
 蒸し暑さがないのも、大きな要因だ。扇風機の風が、そよそよ言っている。

 書く気もしなかったし、ここに綴りたい言葉もなかったので1度はパソコンを閉じたのだけれど、そんな気分の変化で落としたパソコンの電源をまた立ち上げた。

 今日は彦根に出張していた。
 今月、4回目。でも今日で最後。
 出張先の空気になじんだところで、7月は終わる。

 行きの新快速の中で、となりにすわった大学生らしき男の子は本を広げていた。
 薄めの文庫本。
 なぜかなにを読んでいるのか気になって覗いてみたら、「ジーキル博士とハイド氏」だった。
 わたしよりも前に電車に乗り、わたしよりもあとに電車を降りた彼。
 彼はあの物語からなにを考え、なにを思うのだろう。

 罪と罰について考えていた。
 弱いわたしは、相変わらず罪は背負うが罰は受けたくないと思っている。
 罪を背負うことで罰を受けたことにはならないかと甘いことを考えている。
 これは10代のころから、変わらない。
 成長しない。

 帰りの電車は、久しぶりにつり革を持って揺られていた。
 ぱっと目を引く女の子がいて、その要因をこっそり横目で探していた。
 辿りついた結論は、目がパッチリしていて、口角が上がっていることだった。
 目は、もうどうすることもできない。でも、口角なら上げられる。
 というか、1月前のわたしならそんなことは意識しなくてもできていた。以前の職場では当たり前のことだったのだ。
 でも今は意識しないとできないことになってしまった。
 窓に映る自分を鏡にして、数十分口角を上げる練習をした。
 そう、誰にも言われないから自分で言うが、笑っているほうがいいのだ。

 昼前くらいから左目に違和感を感じていた。
 でもなんの用意もしていなかったので、我慢してそのままコンタクトをはめていた。
 15時すぎくらいから上を向くと痛みが増してきた。
 うちに着いてから、すぐにコンタクトをはずした。でも異物感は残ったまま。
 明日は、メガネで仕事に行くことにする。久々のメガネデーだ。
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by fastfoward.koga | 2006-07-31 21:07 | 一日一言

希う

 メガネを作りに行ってきた。
 普段はコンタクトだからメガネを始終かけるわけではないけれど、ふと新しいメガネがほしくなったのだ。

 フレームをうんうん唸って選んだあと、検査をするのでコンタクトをはずしてくださいと店員さんに言われた。
 はずしたとたん、世界は一変した。

 裸眼でいることなんてほとんどない生活。
 起きたらメガネをすぐかけて、コンタクトをはめて、1日終わってコンタクトをはずして、メガネを布団に入るまでかけている。
 裸眼で視力は0.1もないので、矯正していないともやの中にいるようになる。

 そんな視界の中、店員さんの声がやけにハッキリと聞こえた。
 怖いくらいリアルに届いた。

 初めてメガネをかけたとき、これはカルチャーショックだと思った。
 中学生のころのことだ。
 それまでに自然に視力が落ちていてから、矯正して、今まで自分がどんなに輪郭のぼんやりした世界を見ていたかということに驚いた。

 今のわたしはもうなにかに頼らないと、まともにものを見ることもできない。
 文字どおり手探り状態になる。
 自分がひとりで生きているなんて大それたことを思っていたわけではないけれど、最近のわたしはそれに近い驕りが確かにあった。

 メガネも、洋服も、電車も、季節も、言葉も。
 みんな、自分に必要だからそこにあるのではなく、あるものをほしいと希うことで手にしているのだ。
 すべては自分から。
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by fastfoward.koga | 2006-07-30 18:12 | 一日一言

頑固者

 自分は頑固だと思う。
 今も、あっほみたいに頑なになっている。
 でもそのやり方を変えようとは思わない。

 もうちょっとこのままでいく。
 まずい方法だとわかっているけれど、いく。

 最近は、ゴハンを食べてもあまりおいしいと感じない。
 自分の顔を想像すると、能面みたいじゃないかと思う。
 きもちを相手に添わせすぎて、自分の感情にふたをすることがまだある。

 それはやめる。
 もうしない。

 仕事も、生活も、ともだちのことも、家族のことも、すきな人のことも、全部ちゃんと考えたいし、実行したい。
 そういうバーを用意したのは、自分だ。
 自分で用意したから余計に、越えてみせる。

 それでこそ、わたし。
 それでないと、お天道様に顔向けできない。
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by fastfoward.koga | 2006-07-29 22:07 | 一日一言

マイ シンボル、キョウトタワー

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 今、くるりのベストアルバム「Tower of Music Lover」を聴いている。

 歌詞カードの中には、MOTOKOが撮ったあちらこちらの京都の写真が収められている。



 京都タワー。
 錦の川魚屋。
 烏丸今出川の北東角。
 叡電の修学院駅。
 大丸の錦通側のモニュメント。
 出町の加茂川と高野川の合流点。

 最近、京都という町について静かにゆるく考えることが増えてきた。
 すんごいすきで、でもここではないどこかへ行きたくなる。
 たぶん、わたしの求めるものはここにはないんやろうな。

 そんなことを考えたり、思ったりしてる。

 でも、わたしはここにいる。

 京都タワーのライトが消える瞬間。
 シャッターの閉まった、薄暗くて声が反響する錦市場。
 歩くとじゃりじゃり音が鳴る御所。
 将軍塚の夜景。
 宝ヶ池のヘアピンカーブ。
 
 ちょっとずつちょっとずつ積み重ねてきたわたしの京都。
 ふと振り返ると結構積み上げてきたような気がする。
 でもまだまだいけそう。いや、確実にいける。

 逃げ出そうとか、駆け出したいとか、正直、ここのところずっと思ってた。
 でもわたしはまだここから動かれへん。 
 逃げても戻ってくるし、駆け出しても折り返す。きっと。

 わたしは足元にある大きななにかを動かすよりも、もっと手先に近いものを変えようと思う。
 ずるがしこくて、卑怯なところもあるけど、そういうやり方を選ぶ。

 どこかへ行きたいきもちは、なくならへん。
 だからわたしはどこかへ向かう電車に乗る。
 乗り継いで、辿りついたところで、京都の町で自分が積み上げたものを思い返す。

 いつか積み重ねたわたしの京都タワーが、自分の手で支える必要がなくなったとき。
 そのとき、初めて京都から心も体もきもちよく離れられるんやろうな。
 
 そんなことを、思った。
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by fastfoward.koga | 2006-07-28 19:14 | 一日一言

うつらうつら

 38時間、ぶっつづけでコンタクトをはめている。
 昨日の夕方、急に新幹線に飛び乗った。
 青空の下にそびえる山の緑を見て苔を思い出した。
 穴について考えていた。
 洗濯したてのシャツにアイロンをかけてもらった。
 久しぶりに朝、空腹を感じた。

 予定外で予想外の1日の終わりと始まり。

 ゆるさと眠気でうつらうつらと、時差ぼけみたいな1日を過ごした。
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by fastfoward.koga | 2006-07-27 22:04 | 一日一言

ナイスガッツ

 大学4年で就職活動をしていたある日。
 広告代理店の就職セミナーに参加するために、大阪の森之宮へ行った。
 時期は5月くらいだったと思う。とても暑い日で、汗をふきながら駅から会場へ向かった記憶がある。

 女子大生は超氷河期と呼ばれた時代。
 まじめに就職活動しなくてはいけないのに、わたしはどこかふわふわしていた。
 大きな会場に入り、真ん中より少し前あたり、ひな壇を前方左に見えるところに座った。
 たぶん300人くらいは学生がいたと思う。まわりの雰囲気にどうも馴染めず、落ち着かなかった。
 マイクをもった人が会社概要などを話し始め、真剣に聞いておかないといけないのに、わたしはじっと前を向くことができなかった。
 右手には大きな窓があり、窓の外には見下ろすように大阪城公園の濃い緑が見えていた。

 その景色を見つけてしまってからどうやっても抗うことができず、わたしは気づくと話を聞きもせず窓の外ばかりを見ていた。
 公園と大阪城と、その向こうに見えるツインタワー。
 ぴくりとも動かないその景色に見入っていた。

 どうしてそんなものに興味を持って、大事な話も聞かず、目を奪われたのか。
 そのときもらった社名の入ったボールペンを見るたびに、それを思い出す。


 6月からずっと、いろんなともだちが誕生日にほしいものはないかと聞いてくれた。
 具体的なものが思い浮かばないまま、誕生日からもう20日近く過ぎてしまった。
 やっとのことで、携帯ストラップとボニーピンクのベストがほしいと返事をした。

 先日、最近もらったものでうれしかったものはなにかという話をした。
 ちょうど送別会で餞別や花束をもらったりしたあとだったけれど、答えを返そうとして言葉につまった。
 もらったものやきもちはもちろん、うれしかった。
 でもほんとうにほしいものをもらったことを思い出そうとしたら、すとんと穴にはまってしまった。

 今はもう、たいがいのほしいものは自分で手に入れることができる。
 茶碗がほしいと有田まで誕生日に出かけたり、毎週のように山ほど本を買ったり、このパンツに合うサンダルをと探したてみたり。
 ほしいものがないわけではない。
 でも今自分がなにを欲しているのか、実は最近はよくわかっていなかった。
 それが今日、やっとほしいものを形に、言葉にして、しっくりと自分の胸におさめることができた。
 決して高望みしすぎない、身の丈にあったもの。
 ちょっとわがまま、ちょっと贅沢、ぐらいのものだ。


 今日、『お縫い子テルミー』という本を通勤途中に読んでいた。
 その中で、主人公のテルミーが大すきなシナイちゃんにドレスを作ってあげるというエピソードがある。
 そのドレスのできに感激したシナイちゃんは、自分に思いを寄せるテルミーにお礼にと「しようか?」と彼女を抱き寄せる。
 でもテルミーは「お情けは無用です」と断ってしまう。
 するとシナイちゃんは言う。

「ナイスガッツ」

 本を閉じてから、うちにたどり着くまで。
 わたしはこの言葉をずっとくり返し、口の中で転がした。
 転がすこと数十回。

 抗うきもちを抑えきれないくらいのもの。
 気づかせてくれた人に、ありがとうを。
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by fastfoward.koga | 2006-07-24 22:29 | 一日一言

7月11日生まれのK嬢へ

 すんごい遅くなって、ごめんなさい。
 書くことを考えてたら、書きそびれてしまいました。

 出会ってから・・・28年。
 ほんま、いろんなことがありました。
 泣いたり、笑ったり、酔っ払ったり、酔っ払ったり、酔っ払ったり(笑)。
 
 今年は誕生日もぼんキャンも一緒に過ごせなくて、残念です。
 でもまた飲みにいこうね。
 体調ととのえていくから、徹夜で飲んで、始発で一緒に帰りましょう。

 あなたの1年が、あなたの力で動いていくように陰ながらお祈りしています。
 その手で、がっちりほしいものを掴んでね。
 遠慮はいらない。今年はがしがしいってくださいな。
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by fastfoward.koga | 2006-07-23 21:48 | ラブレター

ひとめぐり

 『凶器はナイフ』

 ずっと探している答えがある。
 一生かかって、死ぬ間際にやっとわかるのか、振り返ったときに人生の転機と呼ばれる瞬間に実は知っていたことをあとで気づくのか、それともふとしたときにひらめくのか。
 答えのだしかたじゃなく、でかたばかりを考えている。
 どこに行っても考え過ぎだと言われるのには慣れた。でもそういう自分には飽きた。
 どうしてもヒントがほしくてヒントマンに電話してみた。そうしたら彼はこう言った。
「ラフになる。取り返しがつかない、顔から火が出るくらいのことをしてみる」
 そしていくつも例を挙げて、どう? と問いかけてきた。自分にできることはすぐに選び取れた。でも言えなかった。すきだと言えなかった。
 しきりなおしてもう一度電話したところで、結果は同じで、あてる公式がわかっているのに上手く使いこなせない自分が悔しかった。何も産むことができない自分に苛立った。そしていつまでも言わせてくれない彼に嫌悪を感じたとき、それ以上のずるさを自分の中に発見した。
 わたしは人に傷つけられることを望んだ。腐った部分をズブリと刺されて、痛くて痛くてその痛みの分だけ彼のせいにできると思っていた。
 崖っぷちから突き落とされて答えが、自分が、わかるのなら、どうして自ら清水の舞台から飛び降りようとは思わなかったのだろう。
 右手で、刺して刺して刺して刺して、刺せるだけ刺してまた自分に戻れたら、それが彼の言った「ラフ」なんじゃないかと思う。そして望む答えは答えというものではなくて、その過程で感じることなのかもしれない。
 どこまでわたしは自分を刺してゆけるだろう。


 これは、10年近く前に書いたもの。
 ふと思いつき読み返して、相変わらず成長していない自分を思い知った。

 このころは、すきな人に傷つけられるなら鈍器で殴られるよりも、鋭利な刃物で傷つけられたほうがいいと思っていた。
 えぐるような痛みの方が、かえって治りが早いような気がしていたのだ。
 その思いは今も変わっていない。
 そして人に傷つけられるように仕向けて、起こった出来事を人のせいにしてしまおうとすることも、残念ながら変わっていない。

 ここ数週間、途切れ途切れに考えていた。
 わたしは誰かに守られたくて、誰かを守ろうとしていたんだな、って。

 そこにある自分のずるさに気がついたときから、目をそむけてずっとじたばたしていた。
 自分がすごく打算的に思えて、どうしても認めたくなかった。

 でもわたしは聖人君子じゃないし、そんなものになろうとしなくてもいい。
 誰かを求めることは、悪いことじゃない。

 守ろうとすることが先でも、守られたいと思うことが先でも、かまわないのだ。
 どちらの思いも誰かひとりに対して抱くことができたなら、それでいいのだ。

 10年後、同じことで迷って悩んでも、ここに戻ってこられる自分でありたい。
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by fastfoward.koga | 2006-07-23 21:06 | 一日一言

ギャップと意外性

 さっき、使い捨てコンタクトレンズを購入するために眼科に行った。
 そこの待合室で、ひとりの男の人に目が止まった。

 白いタンクトップに少しだけ焼けた肌。もう少し焼けていても、いやみはない感じがした。
 腕はがっしりしていて、髪も短かく、たぶんわたしよりも若いはず。
 チノパンにスニーカーだったので、ガテン系の仕事をしている人かなと思った。

 それだけだったら別に気にもとめなかった。
 別にタイプでもないし。
 それなのに気になったのは、その人はそんな姿で待合室の質素なイスにすわり本を読んでいたからだ。

 片手で文庫本を持ち、じーっと文字を追っていた。
 本など読みそうのない人が、というギャップでしばらく目を奪われていた。
 すべてわたしの勝手な想像から出る感想なのだけれど、なかなかかっこいい、とわたしの目には映った。

 昨日は「ハウルの動く城」を見た。
 といっても、初めの10分を見逃したので、そんなに真剣に見たわけではないけれど、だからといって見るのをやめようとも思わなかった。
 それはなぜか。
 木村拓哉のハウルの声に惹かれたから。
 
 彼の声はすごい。
 多くの女性がキャーキャー言うきもちが、わかった。
 どこまでもどこまでも、直球勝負を挑む声。
 見ている間、きもちが全部持っていかれた。
 ストーリー展開よりも、もっとハウルがしゃべらないかなと思って見ていた。

 どっちも、きもちがときめいた。
 すごく楽しかった。

 みなさんは最近、ときめきました?
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by fastfoward.koga | 2006-07-22 19:01 | 往復書簡

恋しい雨

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 眠気はまだまだ続く。
 おかげで9時半ごろまで寝てしまった。
 約束どおり、外は雨。
 ぼーっとしたままお風呂に入り、ぼちぼち支度を始めた。
 体が動き始めると出かける意欲がむくむく湧いてきて、昼前にうちを出た。

 やみかけた雨は出かけようとするとまた降り出してきたので、原付をやめてバスで駅へ向かった。
 バス停に向かう途中、水たまりにはまった。
 昨日もはまった、同じ水たまり。
 学習しない女だなと、思った。
 なぜ気づかないのかと考えながら、歩いた。
 答えは、下を向いて歩いていないから。思いっきり前の方を見て歩いていたから。
 しばらくうつむきがちに歩いていたから、いい傾向だと思い直した。

 雨に似合う場所を、昨日の夜から探していた。
 初めは雨でもいい場所を探していた。
 でもそうじゃなくて、雨だからこそいい場所がいいと出かけた。

 枯山水の庭に、誰にも会わない庭。
 今日は、わたしのすきなシンとした空気じゃなく、シーンとした空気が漂っていた。
 どこまでもどこまでも静かな空気。
 音がなくて静かなんじゃなく、空気が静か。

 1日、傘を開いたり閉じたりをくり返した。
 雨が上がって少しさみしいなと思うと、それに気づいたかのように雨はまた降り出した。
 歩く石畳が、濡れて控えめに光っていた。
 あんなに降って、降られた雨なのに、恋しい。
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by fastfoward.koga | 2006-07-21 21:19 | 一日一言